ちょっと刺激的に過ぎるタイトルを掲げたが、われわれ長期投資家にとってはごく普通の感覚である。
いま世界中の投資家は、悪化しつつある投資環境に直面し、悩ましい思いでマーケットを凝視しているところだ。
ここで買うのは、ためらってしまう。 かといって、成績を出すためにはただ指を食わえているわけにはいかない。
では、売りで儲けるか? これだけ米欧日の中央銀行が資金の大量供給に走っているのだ、おいそれとは売りに手を出せない。
無限に資金供給できる中央銀行を相手にして、売りを仕掛けるのは危険すぎる。
安全パイの国債も、ドイツや日本ではマイナス金利の世界だし、米国の10年物長期国債も利回りは2%をウロウロしている。
期待できる投資リターンはあまりに小さい一方、いつかは金利上昇に直面して、すべての債券が値下がり損を抱えるリスクは無視できない。
思い切って株式投資に踏み切るか? それには米中の貿易戦争などの影響で、企業業績の悪化が懸念される。
さあどうするか? 個人投資家のみならず、運用のプロであるはずの機関投資家も頭を抱えているのが現状だろう。
その点、われわれ長期投資家は楽である。 こんな低金利局面で債券を買うなんて、はなから検討にも及ばない話。
他の金利ものも、まったく興味は沸かない。 いつか起こるである金利上昇局面で地獄を見るだけだ。
となると、株式しかない。 そういうことなら、10年後も隆々としているであろう企業のみを選別して、買いまくってやろうと腹を括るのだ。
ここから先、たとえ株価全般が暴落しても構わない。 どんどん買い増ししていけばいい。
こういった見通しの悪い投資環境であればあるほど、思う存分の買い仕込みができる。
さらには、どうせ投資環境が悪化するのなら、早いとこ大崩れしてくれた方が、マーケットの整理は早く進む。
金あまりバブル相場に乗っかってきただけの投資(?)対象は、みな吹っ飛んでいく。
まともな投資対象と、現物株中心の商いは、マーケットが大揺れしていく中をしぶとく生き残る。
そんなわけで、われわれ長期投資家にとっては、投資環境の悪化はむしろ歓迎なのだ。