マイナンバーの完全実施を!

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社会保障番号というか国民総背番号の制度は先進国どこでも行き渡っている。

日本ではマイナンバーという呼ばれ方だが、先進国で唯一といっていい未定着の状態にある。

プライバシーを守りたいとか、なにもかも国に管理されたくないとか、いろいろ反対の理由はある。

そういった危惧や不安を解消させるのは当然のこととして、そろそろマイナンバーの徹底を急ぐべきだろう。

理由は簡単で、国家財政の綱渡り運営はそう長くは続けられない。 どこかで破たん状態に陥るのは避けられまい。

ちなみに今年度の国家予算は101兆円、それに対し税収は63兆円を見込んでいる。 38兆円の財政赤字だ。

もう20年以上も、こんな状態が続いている。 財政赤字のほとんどは国債発行で賄うという、不健全きわまりない借金財政である。

国債発行残高は977兆円まで積み上がり、うち日銀が47%も保有するという、異常を超えて危険領域に入ってきている。

世界中で苦しんだ悪性インフレの経験から、中央銀行が国債の引受けをすることを法律などで禁じている。

それなのに日銀は、銀行から国債を買い入れることで法律に則っていると主張するが、事実上の財政ファイナンスをやっている。

こんな状態をいつまでも続けると、財政破たんか悪性インフレの襲来は免れない。

財政が破たん状態になると、国民生活はズタズタになる。 ごみの収集が途切れることから、年金給付の停止まで、あらゆる社会混乱がどっと押し寄せる。

もうそうなったら、プライバシーも何もない。 国になんとかしてくれ、行政サービスを修復してくれの大合唱となろう。

そのような最悪事態に陥る前に打てる手の一つが、マイナンバーの徹底による個人の収入状況のコンピュータ把握である。

給与などあらゆる所得から年金受取り額や金融収入まで、すべてをコンピュータで把握する。

その上で、所定の税率をかけて個々人から税を徴収することで、国民に課す税負担は公平公正なものとなる。

この作業を徹底すれば、おそらくだが個人からの税収入はかなり増えるだろう。 国庫収入の大幅増加だ。

同時に、よくいわれる生活保護費の不正受給は一掃できる。 また、税関連の業務が大半はコンピュータ化できるから、予算を相当に削減できる。

これだけでも、財政健全化に大きな貢献ができるだろう。 それだけ、財政破たんを遠ざけることができる。

マイナンバーの効用である。