1999年8月2日に設定されたから、さわかみファンドは間もなく20年となる。
海外では20年を超すファンドなんて、そう珍しくもない。 だが、日本においては例外的な存在である。
それだけ、投信に限らずまともな投資運用というものが日本に根付いていないという証左でもある。
本格的な長期投資も、長期投資による資産形成も、さわかみファンドが文字通りパイオニアとして道を切り開いてきた。
ここまでは、すらすらと書けた。 問題はここから先だ。 さっぱり理解できない状況に陥っている。
どういうことか? さわかみファンドの20年の実績に対する一般的な評価が、いまいち高まってこないのだ。
預貯金の利子が年0.001%前後と、お話にならない状況にある。 一方、さわかみファンドの積立て投資だと年5.4%にまわっている。
比べものにならないほどの大差がついているのに、 預貯金からの資金シフトがさっぱり起こらない。 そこが、さっぱり理解できない。
さわかみファンドを設定した当初は、5年から10年も成績を積み上げれば、すごい勢いで預貯金からの資金シフトがあるだろうと読んでいた。
ところが、20年たってもまったく動かない。 20年の実績があれば、安全確実という面でも相当に説得力があるはず。
実に不思議である。 これが米国なら、わずか1%の違いでも個人マネーは、より高い成績の方へ向かってしまう。
さわかみファンドの場合は、5%を超す差をつけているのだ。 それも、20年という実績でもって。
とはいえ、いずれは雪崩れ現象が起こるだろうと、強く期待している。 そうなってくれないと困る。
なんのために、さわかみファンドを立ち上げたかとなってしまう。 できるだけ多くの方々に、安心し信頼してどっしりした財産づくりをしてもらいたいと願って投信ビジネスを始めたのだ。
このままでは、道半ばもいいところ。 なんとしても、100万人はおろか500万人を超すファンド仲間と一緒に、本格的な長期投資を追求したいものだ。