金あまりの張りぼて景気

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すこしずつ変調が見られるようになってきた。 お金をダブダブに供給して、バブル景気を煽ってきたが、そのあたりに変調がだ。

先ずは、昨年末に株価がドカンーと下がった。 その後、戻しに入っているものの、おっかなびっくりの投資姿勢が続いている。

次に、あちこちでうわさされだしたのが、不動産取引が鈍りマンションの売れ行きにもブレーキがかかってきたとか。

日銀が相も変わらず大量の資金供給を続けていることもあって、表面的には戦後最長の景気拡大を更新中。

しかし、その実感はない。 景気は拡大している、人不足で労働者賃金も上昇に転じてきたとかいわれても、どこか遠くの話のように響くだけ。

政府日銀はお金を大量にばら撒いて、張りぼての景気をつくってきたが、実体経済は低調のままだ。

その間に、国の借金は1100兆円に近づいてきた。 日銀の国債保有は450兆円前後と、総発行額の半分に及ぼうとしている。

恐ろしく質の悪い景気拡大であり、将来にとんでもないツケがまわってくるのは避けようがない。

ところが、政府はもちろんアベノミクスを自画自賛するばかりだし、マスコミの論調もアベノミクスに賛辞を送り続けている。

このままいくと、ぬるま湯に浸かったままユデガエルになってしまうのだろう。 それがいやなら、動物的な感覚を取り戻すしかない。

動物的な感覚? そう、自己防衛だ。 国に頼ることなく、自分でできることをさっさとやっていこう。

その最たるのものが、長期投資である。 張りぼての景気拡大も、実質所得の伸び悩みも、みな経済問題である。

ならば、自分も頑張って働くが、お金にも働いてもらうことだ。 長期投資で企業を応援していけば、生活を守ることにも直結する。

また、生活者にとって大事な企業の株主になっておくことが、財産の置き場所として一番安全である。

しっかりと長期投資に舵を切っておいた人と、なにもしなかった人たちとの間には、とんでもない差がつくのは避けられまい。

その時になって、さわかみファンドの存在に気づいてもらっても構わないが、できるならいまのうちに乗船しておいてもらいたいものだ。