寄付の文化が定着すると、すごいことができる!(前編)

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米国は寄付大国といわれており、人々のごく自然な寄付が米国経済や社会を静かに、かつ力強く支えている。

たとえば、全米各地の教会は毎日のように炊き出しをして、貧しい人々に食事を提供している。

NPO活動も非常に活発で、信じられないかもしれないが米国の雇用の7%から9%を創出しているとのこと。

そういった社会貢献の原資は、大半が寄付によるものである。 一部のNPOは、活動資金を自ら稼ぎ出してはいるが。

ごく普通の生活者が、さりげなく寄付することで、格差社会とか騒がれがちな米国で、強力な安定剤となっているのだ。

すごいのは、税控除対象になる寄付は、全寄付の15%前後に過ぎないらしいこと。

なんと、寄付大国アメリカを支えているのは、税控除などを意識しない良き米国人の善意によるものなのだ!

そういった善意の文化を日本にも定着させたいと強く思う。 自分だけで生きているのではない、まわりにもまわしてあげようとする寄付文化だ。

日本には880兆円もの個人や家計の預貯金がある。 米国の1.5倍という巨額な資金が、自分のことしか考えずに眠っているのだ。

その一部でも、世の中にまわしてあげようと行動するだけで、日本経済や社会はたちどころに活性化する。

たとえば、預貯金の利子は年0.01%にもならないのが現実である。 ならば、たった3%でいいから預貯金を引き出して寄付にまわしてみよう。

その寄付が生活に苦しんでいる人たちや、芸術家・スポーツマンなどのところへ届けられれば、すごく喜んでくれるどころではない。

今日はお腹いっぱい食べようとか、楽譜を買おう、スポーツシューズを新調しようといった消費が、即座に発生する。

それだけで、日本経済は4.8%の成長を遂げてしまうのだ。 4.8%もの成長となれば、まわりまわって国民全体の所得は増える。

そう、預貯金の3%が寄付で消えていってしまうのではない。 むしろ、殖えて戻ってくるのだ。

これが、お金をまわすということであり、成熟経済となった日本では、なんとしても実現させたい最重要テーマである。

では、寄付でどんなすごいことができてしまうのか? それを、明日考えてみよう。