長期投資をできるだけ多くの人たちに始めてもらいたいと願うが、なかなか思うように普及してくれない。
日本人は投資というと、すぐ博打とかリスクが多いと、マイナス反射する? そして、そういったものは敬遠しようとするから?
まあ、それもある。 とはいえ、投資をしておいた方がいいと考える人達が増えているのも、まぎれもない事実。
とりわけ若い人たちの間では、お金の余裕はないが、投資しておきたいという声はどんどん高まっている。
では、なにが問題? 時間がかかることだ。 長期投資の良さと実益がはっきり認識できるようになるまでに、最低でも5年はかかる。
食品などの味見なら、美味しいかどうかはすぐわかる。 だから、良いものには注文が殺到して爆発的に拡大していく。
ところが、長期投資の場合は味見をしてもらって、その良さの評価を受けるまでの期間が、やたらと長い。
その評価も、ある程度の時間が経って成績が積み上がって来ないと、まったくをもってゼロ同然である。
むしろ、ずっと長期投資を続けている間では、プラスの成績どころか、水面下を行っているケースだってある。
したがって、なるほど長期投資っていいものだねと納得してもらうまでの間、じっと我慢し続けてもらわないといけない。
ここが、長期投資の啓蒙で一番つらいところである。 なかなか長期投資が普及しないのも、そこがネックとなっているわけだ。
そういうことなら、長期投資において先輩であり、かつ成功体験をたっぷり積んできている人たちの声を聞いてもらったらどうか。
すぐ横にいる、ごく普通の人たちが長期投資で経済的な自立が見えてきた結果の安らかで落ち着いた笑顔を見れば、もう誰もが納得する。
とりわけ、主婦層が長期投資の成果を得々と語ってくれる口コミ効果は抜群である。
別にこれっといって、難しい話とか投資の理論を持ち出す必要はない。 ひたすら、生活者にとって大事な企業を応援するだけだ。
この企業を応援しようということで、株価の安い間に買って高くなるまで待つだけの作業だから、誰にだって簡単にできる。
でも、投資はじめての多くの人たちにとっては、もっと説得力のある言葉がある。
それは、「私たちも長期投資していたら、財産づくりできてしまった。 すこし時間はかかったけど、やっぱり長期投資が一番だね」だ。
ありがたいことに、さわかみファンドではファンド仲間の皆さんが次々とファイナンシャル・インデペンデンスを達成されている。
そういった方々に、セミナーなどで長期投資の良さを語ってもらうと、はじめての人たちも身近さを感じることが出来よう。
今年は、ウチのファンド仲間の皆さんとコラボして、長期投資の啓蒙のピッチを上げていきたいと思う。
とりわけ、ここから10年ぐらいは、いろいろ不安定になる。 そうなればなるほど、長期投資やっていて良かったと喜んでもらえる。
したがって、できるだけ多くの人々に長期投資を始めてもらいたいものだ。