70年代、80年代の苦しみを経て、米欧は、、、

Browse By

1970年代、そして80年代にかけて、米国やヨーロッパは経済問題に苦しみ続けた。

どちらも経済構造が成熟化しだしたところへ、1973年に第1次石油ショック、79-80年に第2次石油ショックの直撃を受けた。

エネルギーや資源コストの急騰がインフレを招き、それが消費を落ち込ませたため、経済は低迷し失業率は高まった。

重なる経済対策で財政は急悪化した一方で、予算削減が犯罪の増加や教育の劣化を招き、深刻な社会問題となっていった。

低成長と高失業率に喘いだ米欧諸国は高福祉路線から離れ、競争原理や市場主義経済へと大きく舵を切っていった。

それが、英サッチャー首相や米レーガン大統領による規制緩和と大幅減税、EU 統合による市場の拡大であった。

90年代に入ると、それらの政策が奏功して米欧とも経済は上向いていった。 一人、ドイツだけが東西ドイツ統合の重みに苦しみ、欧州の病人と呼ばれた。

とりわけ米英は市場主義経済の徹底で世界をリードし、金融という巨大産業を生み出した。 遅れてはならじと、欧州大陸も市場経済化を急いだ。

それが90年代後半から2000年代の金融バブルを醸成していって、2008年にリーマンショックを迎えたわけだ。

この間、IT 産業が生まれモノづくりから物流までを巻き込んで巨大産業化していった。 また、拡大ヨーロッパという経済圏も生まれた。

気がついたら、この20年間で米国経済もヨーロッパ経済も規模が2倍になっている。

とはいえ、その果実が米欧の国民全員に行き渡っているわけではない。 そう、ピケティ論文ではないが、社会的格差はどんどん広がっているのだ。

そんな中、米国で大きな存在となってきている NPO に象徴されるように、寄付などによる社会的な富の分配が広がっているのも事実。

民間活力による経済の自立的な成長と、寄付などによる富の再分配。 どちらも、国民が主導したものである。

このあたり、日本も学ぶところ大であろう。