今朝の日経新聞に、世界の金利に上昇圧力がかかってきているとあった。 NY 市場は大幅安となった。
史上空前の金融緩和やゼロ金利政策の副作用の懸念が高まり、米欧では金融や金利を正常な状態に戻そうとする政策方向が明確になってきた。
その横で、新たなる金利上昇要因も加わってきて、米国の長期金利たとえば10年物国債の利回りが4年ぶりの3%台に乗ってきた。
その米国だが、失業率の大幅低下が賃金の上昇圧力、そして物価上昇懸念へとつながっている。
一方、トランプ政権のバラ撒き予算で財政赤字は急悪化し、国債増発懸念も長期金利の上昇圧力となっている。
そんなこんだで、米国株は大幅下落となったわけだ。 といっても、われわれ長期投資家にとっては、なんら大慌てすることもない。
先ず、金融や金利の正常化は、あって然るべきである。 その過程で、ゼロ金利を謳歌していたゾンビ企業群が淘汰されていく。
次に、賃金上昇圧力と物価上懸念だが、これは通常の景気回復過程では当たり前のこと。 それを嫌気しての株価下落は、絶好の買い場とみよう。
国債増発による長期金利の上昇は、野放図な財政肥大化を牽制する唯一のブレーキであり、市場機能の最たるものである。
米国では、その市場機能が即座に働き始めたわけで、これは金融や経済活動の健全なる発展を守る役割を果たしているとみていい。
ひるがえって日本では、野放図な財政肥大化と国債増発、そして日銀による国債大量購入に対し、市場機能は壊死したかの状況がずっと続いている。
それだけに、その反動は半端でないだろう。 いずれマグマが溜まって爆発する市場圧力は、日本の金融のみならず経済活動に大きなショックをもたらそう。
それでも、長期投資にとっては金融や経済の正常化への避けて通れない道と、冷静に判断しよう。