投資の勉強、土台から崩れるよ

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ちょっと刺激的な表題となったが、10年以内には現実となってしまっているだろう。

1980年代に入ってから今日に至るまで40年近くにわたって、ひとつの投資トレンドが続いてきた。

それは、主要国の金利がずっと低下基調をたどり、債券価格が高値を追い続けていることだ。

その結果、債券投資は安全という神話が生まれて、債券は株式に比べ安定度の高い投資の代表とみなされるようになった。

投資の教科書では国内外の債券や株式に分散した投資が奨められ、それぞれの比率を変えていくことでリスクをコントロールしようという。

そういった教えが、ガタガタに崩れる時がじわじわと迫っているのだ。 世界の金利が上昇に転じていくと、債券神話は吹っ飛ぶことになる。

ちなみに、1970年代を通して、より正確には1983年までというもの、債券投資は地獄だった。

長期金利、すなわち10年物の債券利回りは10%を超えていて、債券価格は紙くず同然に売られていたものだ。

ここへ来て、米国やヨーロッパ中央銀行が金融や金利の正常化へ向けて動き出している。

それとともに、長期金利はじわりじわりと上昇の道をたどっていこう。 それは、そのまま債券価格の下落につながっていく。

とはいえ、米欧も世界の景気を冷やさないよう慎重に金利を上昇させよう。 したがって、当面はそう極端な展開とはならないだろう。

しかし、そのうち長期金利の上昇基調で、債券相場がごく自然体で崩れ出す。 そうなると、もう誰も止められない。

いずれ、嫌と言うほどに思い知らされるだろう。 こんな高値で債券投資したり債券を保有していることが、どれほど大きなリスクを抱え込むことになるかを。

もちろん、投資の教科書も書き換えられることになる。