ここへきて、NY 市場も、日本株市場も、ドスーンドスーンと下げる日が多くなってきた。
投資家は迷い始めたに違いない。 この下げを買って良いのか、ここまでの上昇相場が一段落したとみるべきか。
投信をワーッと購入した人々は、しまった高値をつかんだかと、ほぞをかんでいるかもしれない。
よくあること。 これを、振るい落としという。 今回は2種類の振るい落としに入ったと思われる。
一つは、ごく一般的なもので、上昇相場が調整段階に入ると必ず起こる現象である。
そこまでの上昇相場で、ただ勢いに乗って上がってきたような銘柄は、片っ端から振るい落とされていく。
その横で、業績などの中身が伴った銘柄群は、次の上昇へ向かっての値固めを進める。
投信購入者の間でも、腹を据えて長期投資をしようという人々は踏ん張れるが、目先追いの投資家たちは脱落していく。
そういった振るい落としを経て、次の上昇局面の準備が着々と進むわけだ。
一方、金融の正常化という、もっと大きな振るい落としが始まっていることも認識しておこう。
2月に入ってからの下げも、長期金利の上昇を警戒してのもの。 その長期金利の上昇だが、これからどんどん進んでいくのだ。
マイナス金利をはじめとして、史上空前の金融緩和などで世界の株価や不動産価格はバブル化してきた。
そのバブルが、一つ二つと弾けていくのだ。 これは、金利や金融の正常化の過程で、避けては通れない道である。
われわれ長期投資家は、なにも慌てることはない。 もともと、じっくりながらも業績を積み上げていくだろう応援企業に絞り込んできた。
したがって、株価が大きく下げれば、ごきげんで買い増しを考えるだけのこと。
また、こんな超低金利下で債券投資など、あり得ないこと。 だから、長期金利の上昇など、痛くもかゆくもない。
むしろ、長期金利の上昇で債券から株式への資金シフトを、これまたごきげんで歓迎するのみ。
そう、いつの振るい落としでも、後になってみれば長期投資家が残っている図式となるのだ。