投資リテラシー(後編)

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国を挙げて、預貯金に凝り固まった日本人を投資に踏み込ませようとしているが、なかなか効果は表れない。

どれだけ金融リテラシーとか投資教育とかを声高に唱えても、預貯金マネーのツンドラ(永久凍土)は馬耳東風に聞き流すだけ。

まあ、それだけ日本人の貯蓄信仰は根深いともいえるが、案外と思考停止で安眠をむさほっている面もあろう。

そんな日本人に対しては、「投資しないと損だぞ」、「みなに置いてきぼりを食らうぞ」といった危機意識に直面させてやるのが一番。

このまま預貯金に置いておいてはマズイ、大きな損を蒙りそうといった状態になれば、日本人はすぐ動く。

その典型例は、インフレの到来である。 戦後、預金封鎖されている間に、100倍の高インフレが襲った。 多くの人々は生活資金に困窮する一方で、金融資産は100分の1に目減りした。

当時、株式を保有していた人々は、株価上昇を謳歌すると同時に、持ち株を売却することでいくらでも生計を守れた。

まあ、そういった事態に陥ってからでは遅いが、さすがの日本人も貯蓄信仰の限界を肌身で認識しよう。

とはいえ、日本の現状はインフレにほど遠い? 投資しなくても、なんら損に思わない?

たしかに、当分はそういった状態が続くかもしれない。 そういうことなら、プラスサイドで大きな差を見せつけてやるに如かず。

つまり、長期投資でファイナンシャル・インデペンデンスに到達した人が、どんどん出てくることだ。

預貯金に凝り固まっていた人たちを尻目に、経済的自由を満喫しつつも、カッコ好くお金をつかう人々があちこちで登場してくると、置いてきぼり感は否応なしに高まる。

実は、そういった状況は全国各地で散見されるようになってきている。 現時点では、さわかみファンドの仲間が主体だが、これが広がりを見せつつあるのだ。

すなわち、直販投信8社の顧客の間で、ファイナンシャル・インデペンデンスを手にした人々が、これから加速的に増加していく。

そうなると、長期投資していた人々と、預貯金でいいやといっている人達との間では、決定的な差が現実認識となっていく。

そこではじめて、投資しておいた方がいいという社会認識が日本中に広がり出すのだろう。

したがって、いまやるべきは、「さわかみファンドはじめ直販投信の顧客が、次々とファイナンシャル・インデペンデンスを達成している姿に注目しよう」という全国キャンペーンをすることだ。

百聞は一見に如かずで、「預貯金に凝り固まっているのが、どれほどつまらないか」を知らしめるのが、最高の投資教育となる。