次の米国大統領、どちらがなっても

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 週末の帯広セミナーで真っ先の質問が、米国の大統領選挙どう読みますか、どんな影響が出るのでしょうかだった。

 先週はトランプ候補の追い上げで、マーケットはにわかに警戒モードを高める展開となった。 それまで優位と信じられていたクリントン候補とは違った政策が打ち出されるのではないかということで、株価は大きく売られた。

 質問者の真意はトピック的な話題への関心というよりも、長期投資ではどう考えるかという方向だったから、こちらは思わずニヤリとしながら答えた。

 これだけ不人気の候補が大統領選挙を争うのも珍しいが、どちらが大統領になってもせいぜい次の4年間、再選されたところで8年間の話。

 その間に世界経済や政治がどう動こうと、米国はもちろんのこと世界中の人々の生活が劇的に変わるわけでもない。

  したがって、われわれ長期投資家の行動は何も変わらない。 どちらが次の米国大統領となっても構わないから、大きく下げたところはしっかり買っておきましょうである。

 それにしても、マーケットとメディアの反応はいつものことながら、やたらとも慌ただしい。 目先のお金やニュースを追い回している人々からしてみれば、トランプ候補の芽が出てきたとなると、それに対応した行動をとらなければならないと色めき立つ。

 今週の水曜日あるいは木曜日の選挙結果の発表でクリントン勝利となれば、またそちらに照準を合わさなければならない。 なんとも忙しいことだ。

 その点、長期投資家は楽である。 5年10年の時間軸で、ゆっくりでも価値が高まっていくであろう投資対象を選んでおいて、大きく下げたところを買うだけのこと。

 ゆっくりでも投資価値が高まっていくであろう投資対象の最たるものは、生活者に密着したビジネスを展開している企業である。

 そこに絞り込んで長期投資していけば、世の中で何が起ころうと心配はない。 そういった企業のビジネス基盤は盤石であり、それも株価が大きく売られたところを買い仕込むのだから、何の不安も抱かない。

 これが長期投資のすごいところだよ。 やらない理由はないよね、そうニンマリして応えておいた。

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