短期投資や高速売買 vs 長期投資

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 日本のみならず世界の主要株式市場では、ヘッジファンドなどに代表される短期投資がやたらと幅を利かせている。

 そこへ、1秒間に1000回以上の売買を執行する高速売買が乗っかってくるから、個人投資家には手も足も出ない相場展開となってきた。

 また、機関投資家の日本株運用で80%前後がインデックスの先物取引となってきており、個別企業の株価動向など無視で相場全体が上がったり下がったりする。

 こうなってくると、株式投資で儲けるのは難しいといって資金を引き揚げる投資家も出てきておかしくない。 こんな相場にはとてもついていけないという投資家も増えている。

 結構なことである。 このような傾向は、ますます長期投資家に分が良くなるだけのこと。 したがって、ヘッジファンドだろうがなんだろうが、どうぞ気のすむまで暴れてくださいだ。

 どういうことか? 短期投資家が高速売買を重ねようと、先物取引で個別株の値動きを押しつぶそうと、それは時々刻々とかせいぜい日々の値動きの範囲でしかない。

 そんなもの、長期投資家ははじめから無視している。 いつも株式市場の動向とはつかず離れずの距離を保ち、相場全体が大きく下げているなと判断すれば買いを考える。

 買うといっても、大体この辺りで買っておこうかぐらいのアバウトさで十分。 なにしろ、敵は短期投資家で変わり身が早く、高速売買とやらで株価もころころ変わる。

 そんな株価を相手に、ビシッと安値を買おうなんて気張っても、疲れるだけのこと。 まだ下がりそうだとか、もう少し待とうかとかで、どんどん判断が鈍ってくる。

 ちょうど、いまがそうだ。 株式市場全体を眺めるに、買いの勢いは弱くだらだらと売られている。 「ここで買おうか、どうしようか」と考えだしたら、もう買えない。

 思い切って買ってしまえば、後は楽である。 買った後にさらなる下値があっても、見てみないフリして放っておこう。 そのうち上がってくるだろうと、のんびり構えればよろしい。

 このまま株価はずっと上がらないのでは、なんて考えないこと。 なにしろ長期投資家は将来に向けて投資価値が高まっていくであろう企業を選別買いしているのだ。

 株式市場に買い気が戻ってくれば、投資価値を高めてくれている企業の株価は必ず上がる。 のんびり構えていればいい。 それが長期投資というものである。

 そう、われわれ長期投資家は相場動向を相手にしない。 応援したい企業の株価が安ければ買い、上がってきたら薄く薄く売り上がっていくだけだ。

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 ★注意 上記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。