中国リスクって、どんなもの?

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 年明けから、チャイナ・リスクといったものが株式市場はじめ金融マーケットを大きく揺さぶっている。 中国の元安や株安が止まらないので、マスコミ報道も一段と熱を帯びてきた感がある。

 この先どうなるのか? 皆が知りたがるから、マスコミはますます張り切って(しばしば過激に)報道する。 それを見て、マーケットはどんどん神経質になり、過剰に売り反応したりする。

 われわれ長期投資家は、いつでも目先の事象から一歩離れて、ゆっくり大きく考える癖をつけたいもの。 すると、本質的なところが見えてくるし、あたふたすることもなくなる。

 ちなみに、元安も株安も中国が抱える様々な歪みが表面化してきただけのこと。 世界第2位の経済規模を誇るに至った中国だが、この30年あまり世界から資本を吸い寄せては高度成長を遂げたものである。

 その間に、国内の資本形成も進み世界最大の外貨準備を誇るまでに至った。 とはいえ、世界とりわけ先進国からの資本を大量に受け入れているのも事実。

 海外からの資本は中国経済の潜在的な成長可能性を期待して流入してきてはいるものの、中には足の軽いものもある。 そういった足の軽い資金が中国リスクとやらを感じて逃げを打てば、元安になるに決まっている。

 株式市場も日本を凌駕するまでに巨大化したが、有力上場企業でみると発行済み株式の大半は国が所有している。 市場で流通している株式が案外と少ない中で、投機買いすれば株価は大きく上がるに決まっている。

 そんなところへ、ちょっと売りが出れば株式市場は暴落するだけのこと。 中国株式市場が変調をきたしたと大げさにとらえられるが、株買い投機が崩れた面も忘れまい。 買いが戻ってくれば、また激しく上がるだろう。

 それで、中国経済はどうなるのか? はっきりしているのは、13億余の国民が豊かな生活を知ってしまったことだ。 その水準はともあれ、人は誰でも一度手にした生活を手放すことは嫌である。 なんとしても現在の生活を守ろとする。

 この当たり前の欲求は、元安や株安はおろか、たとえ共産党政権が吹っ飛んでも、厳然として中国大陸に存在する。 むしろ、欲求の水準はどんどん上がっていく。

 となると、人々の生活を支える企業活動も、なにが起ころうと存在し続けるわけだ。 そういった企業を応援する長期投資は、現在のように株式が大きく売られているような時に、しっかり買い仕込みをしておけばいいとなる。

 簡単だよね。 これ以外、一体なにを考えなければいけないのだろう。

 世界経済に及ぼす影響? 世界中の人々だって毎日の生活がある。 資源安だろうが、世界貿易の伸びが鈍ろうが、どこの国の人々も生きていく努力はずっと続けるのは間違いない。 それが経済というものである。