熊野古道の修復活動

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 さわかみ財団では、もう長いこと熊野古道の修復作業をお手伝いしている。 唯一の例外が1年だけあった。 それは熊野古道が世界遺産に登録された時のこと。

 和歌山県の世界遺産センターから連絡があって、苦笑混じりに「さわかみさん、今年はお休みください」ときた。 聞けば、全国から修復のボランティアが殺到しているとのこと。

 世界遺産に登録されたとなるや、ワーッと一大ブームとなる。 そのブームも1年過ぎれば、スーッと消え去り人影もまばらとなる。 そして、再びうちの出番となる。

 そんなわけで、今年第1回の熊野古道修復チームが今朝出かけていった。 自分は残念ながら他の予定と重なって参加を見送ったが、財団のメンバーと一部ボランティアの方々が和歌山県へ向かった。

 一般的な熊野古道の修復作業は平坦地の近くで行われる。 一方、さわかみ財団の場合はこれまでの土木作業力が高く(?)評価されて、山の上の方の厳しい修復現場を受け持つ。

 作業の大半は、トラックが来れる平地の道路上から、土を背中にしょって山道をえっちらえっちらと運び上げるだけのこと。 それを、一日に何往復も繰り返すのだ。

 長いこと雨風にさらされて土砂が流れて歩くのも危険になっている古道を、思い土を背にして登っていくのは大変な重労働である。 でも、それしか方法はない。

 遠い昔から、熊野神社に詣でる人々や修験者がたどった古道で、それを修復するには人力に頼るしかないし、それが熊野古道の修復活動である。

 これまでは、金曜に出て日曜に帰ってくる2泊3日の工程だった。 それだと日曜の夜に戻ることになるので、今回は1泊2日の行程を試してみることにした。

 金曜日に和歌山県の現地まで行って、温泉旅館でゆっくりと英気を養う。 翌土曜日は朝早くから作業を開始して、夕方まで頑張る。 山の夕暮れは早いので、暮れる前に作業を終えて、温泉で汗を流して食事を取って一休みする。

 その後、ゆっくりと東京へ向かうわけだ。 これだと、土曜の夜遅くに帰宅となるが、翌日の日曜はゆっくりできる。 さあ、来週の日曜日、どんな報告があるか楽しみである。

 今年の熊野古道修復作業は、10月23日~24一12月4日~5日が決まっている。 我こそはの力自慢は、ボランティア参加いかがですか?