お金に働いてもらうことの社会的意義

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 この長期投資家日記では、もう皆さんが聞き飽きるほどに、お金に働いてもらうことの経済的意義を繰り返してきた。 アベノミクスに悪乗りしてでも、とにかく株を買っておこうよと訴えてきた。

 経済は動き回っているお金の量とスピードの掛け算だから、お金をボケッと寝かせておくのではなく、どんどん経済の現場に放り込んで働いてもらうことだ。

 お金に働いてもらうことの効果は、最近あちこちで実証され始めている。 政府や日銀による強力な旗振りもあるが、ともかくも企業は設備投資を拡大しだしているし、個人や家計も株式投資に前向きになってきた。

 それらの動きが株式市場の賑わいにつながり、株価上昇がもたらす心理効果と資産効果が個人消費や企業の投資を活発化させている。

 すこし前までは将来不安だとかで、日本中がお金を抱え込んでいた。 最近は、あの頃とは様変わりの明るい展開となってきている。 この調子で、お金にもっともっと働いてもらおう。

 さて、今日はお金に働いてもらうことの社会的な意義を取り上げてみよう。 基本は、お金を抱え込んではいけない、世の中へどんどんまわしていく。 それは変わらない。

 その中で、個人消費や長期投資のように経済活動を活発化させる働きは、上に書いた通りである。 そこへ加えて、文化・教育・スポーツ・芸術・技術開発・寄付・ NPO ・ボランティアなどにお金をつかうことの意義は、これまた大きなものがある。

 そういった分野へお金をつかうのは、趣味の世界だとか余裕のある人のものと、一般的には考えられがちである。 そこで思考停止するのではなく、その意義をしっかり認識して、ちょっと無理してでもお金をまわしてやろうではないか。

 先ずは、文化・教育・芸術・スポーツ・ NPO といった分野で積極的にお金をつかえば、それだけ雇用を増やし新しい産業の創出と経済活動の拡大につながっていく。 つまりは、まわりまわって自分たちの収入にプラスとなるのだ。

 もちろん、こういった分野がいくら拡大発展しても、地球環境の悪化にはつながらない。 むしろ、社会や経済が優しさと潤いのあるものへと変身していく。

 そう、耐久消費財など生活必需品は大方行き渡った成熟経済では、どの国でも成長率の鈍化が避けられない。 しかし、文化・教育・芸術・スポーツなどの分野であえてお金をつかうことは、成熟経済における新たなる経済発展モデルとなっていくのだ。

 これもまた、お金に働いてもらうことである。