高値警戒感がなせる業?

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 世界経済の成長率が下がり気味だ、中国の株価はバブル気味だとかで、投資家の間で警戒感が高まっている。 といっても、ここまでの株高がなさしめる高値警官感が、そういった不安材料を探し求めるのは、大きな上昇相場でよくあること。

 見ていてご覧、株価全般が再びぐいぐいと上昇し始めたら、今度は買いの材料をあれこれ話題にするようになるから。 その変わり身の早さといったら、もう超一品である。

 投資家なんて、大方そんなもの。 株価上昇なら、その要因をあれこれ詮索しないと買いに入れない。 下落相場では、これこれの悪材料が出たから売らなければと、もう売ることしか考えない。 株価次第で、そのどちらにも気持ちが傾いてしまう。

 そういった相場追いかけ投資では、往々にして高値づかみしたり安値を叩き売ったりしがちとなる。 理由は簡単で、大勢の投資家と同じ行動をするのが相場追いかけ投資なんだから。

 相場なんて、買う人が多くなれば上昇する。 売る人が殺到すると急落する。 その流れの中にいるのが投資と考えている多くの投資家は、どうしても相場を後追いしてしまう。

 いつも書いているように、相場を追いかけ相場に勝負を挑む短期投資家やディーラーは、結局のところ相場に振り回されてしまう。 変わり身の早いのが相場であって、その動きに対応しようとするのは神業の領域といっていい。

 一方、われわれ長期投資家はいつも相場につかず離れずの距離感を維持し、安ければ買い高ければ売るの対応をする。 だから、相場を後追いして高値づかみしたり、暴落相場で泡食った売り逃げなんてことはない。

 なぜ安かったら、さっさと買えるかだって? いつも長期的に応援したいとする企業を調べては、買いの準備をしておくからだ。 応援という以上は、皆が売る安値でこそ応援買いの価値があるというもの。

 どのようなタイミングで売るのか? 大勢の投資家が儲けよう儲けようで買い群がってきたあたりから、しばらく応援は彼らに任せようと薄く薄く売り上がっていく。 どうせ、にわか応援団はなにかあると泡食って売ってくるから、そこで再び買い出動だ。

 これが長期投資の運用で、さわかみファンドではこのリズムをすごく大事にしている。 もちろん、お客様はさわかみファンドという長期運用大型客船にゆったりと乗っかっていてもらえばいい。 ご自分でさわかみファンドを売ったり買ったりする必要はない。