執筆の8月

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 皆さんは夏休み、それとも盆の里帰りですか? こちらは、汗だくだくの夏を過ごしつつも、眼はギラギラのしょぼしょぼ、お尻は痛しの毎日。

 記憶に残るはるか昔から夏休みは取っていない。 理由は簡単で、毎年この時期は夏枯れ相場といって市場も夏休みモードで閑散となる中、なにかの悪材料で大きく売られることがしばしば。

 お客様の虎の子をお預かりして運用する仕事をしている立場上、大きく下げた買いチャンスを逃すわけにはいかない。 それで、夏の時期は日ごろから溜まっている書類の整理をしながら、暴落相場を虎視眈々と待ち構える習性が染みついたというわけ。

 昨年の1月から、さわかみファンドの最高投資責任者の職を草刈に引き渡したので、今は夏枯れ相場を横で眺めているだけ。 草刈が鋭い眼でポートフォリオを見守ってくれているから、さわかみファンドに関しては安心していられる。

 ところが、長年の習性で夏には日ごろ出来ないことを集中的にこなしてやろうという気になってしまう。 それが今年は執筆の夏となり、眼はしょぼしょぼのお尻は痛しである。

 1冊は、9月20日の出版が決まっているもので、8月25日には脱稿という段取り。 ここから5年どんなに長くとも10年ぐらいの間には、大きな経済的混乱が目白押し。 あえていえば、サバイバルリスクが待ち構えているわけだ。

 そんなサバイバルリスクの嵐の中を、長期投資で大きく浮いていようぜといった趣旨。 ちょうど書きたかった構想が、タイミングよく出版となるので快諾したもの。

 もう1冊は、2年前に出した ”金融の本領” の流れをくむもので、8月の終わりまでには原稿を仕上げたい。 間に合うかどうかで、来週には出版の担当者と詰める。

 実は、その横で5月には完成していなければならなかった予定の、さわかみグループの社史の原稿作成に追われている。 こちら、記憶の薄れぬうちにぐらいの軽い気持ちで書き出したら、すごいドラマの連続でどんどんのめり込んでしまった。 一刻も早く仕上げようと、昨日もヒーヒーいって書きまくった。

 まだある。 覚えておられる人もいるでしょう、長期投資の企業分析という堅めの本。 すでに60%ほどは書き終えたが、上に書いた社史を優先して現在は執筆をお休み中。

 こんなわけで、暑い夏をやたら熱く過ごしているってわけ。 もの書きが本職なら何とかこなせようが、こちら本格的な長期投資の啓蒙活動からオペラ財団の立ち上げまで、やりたいことが次から次へと出てきてしまう。 まあ、これも性分と割り切りつつ汗びっしょりの毎日。

 どれも、”長期投資で良い世の中をつくっていこうよ”、”長期投資の先には素適な世界が広がっているよ” でつながっているから、空中分解することなく汗を流せるってことかな。