マイナンバー、預貯金にも

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 今朝の日経新聞によれば、2016年から始まるマイナンバー制度に預貯金も2年ほど遅れて適用する方向で、政府内で調整が進んでいるとのこと。 結構なことであり、2年といわずできるだけ早めてもらいたいもの。

 給与をはじめいろいろな個人所得に納税者番号を適用するのがマイナンバー制度である。 それでもって、国民一人ひとりの所得状況に応じて公平公正に所得税を納めてもらおうとするもの。 もちろん、所得の少ない人々への配慮も公正に実施され、生活保護の不正受給もなくなる。

 そこへ、預貯金など金融所得もマイナンバー適用となると、金融資産からの所得にも公平に税を課すことができる。 それをきっちりと進めてもらえば、金持ち優遇とかの日本的なやっかみ論を抑えて、相続税率の低減はじめ個々人の私有財産の拡大意欲を高めることができる。

 これまではやたらと社会平等意識が前面に出すぎて、頑張って資産を形成しようとする意欲ある人々のアニマルスピリットを削ぐことが社会正義であるかのように崇められてきた。 その結果、富を創造しようとする個人のリスクを取って事業を拡大させる意欲はなくなるし日本経済は停滞するしで、日本全体の損失となってきたはず。

 そもそも日本は先進国で唯一といっていい納税者番号反対論の国となっているが、それだけ納税制度のゆがみを享受している人たちが多い証左であろう。 税を支払わず逆に税を食い物にしようとする人々がいる分、日本経済は確実に活力を奪われていく。

 今日の記事でも一部に反対もあるらしいが、それは個人情報保護を建前にしながらも、本音は所得税などで優遇されている人たちであろう。 記事では自営業者や農家などがあげられているが、それ以外にも税金をそれほど払わなくても済むよう制度優遇を受けている人たちも多い。

 このあたりがマイナンバー制度で、きちんと所得や財産状況が把握されることで一掃される。 そして、国民すべてが公平公正に税支払いを課されるようになることが、本当の社会正義であろう。

 これは自分の推測だが、マイナンバーの導入で個人の所得税支払いが大幅に伸びると同時に、既得権の中に隠れた公金支出があちこちで浮かび上がってきて、日本の財政はかなり健全化するはず。

 一方で、所得減税や相続税軽減の原資が確保されることで、個人の所得拡大意欲を高められる。 ずっと真面目に税金を支払ってきたわれわれにとっては、すべてが歓迎の方向である。 よく働き、よく稼いで、みなで堂々と財産を築いていこう。