国連による世界人口の推計は、不確定要因の多い将来予測の中で最も信頼度の高いものといわれている。 その人口予測だが、上位推計から中位そして下位推計まで3種類ある。
中位推計でみると、2050年に世界人口は96億人になると予測している。 これは昨年の11月に、それまでの93億人を上方改訂したものだ。
現在71億人余りの地球上人口が、36年後には96億人となる。 1日あたり平均すると18万5000人ずつ増えていく計算だ。 10日で185万人、70日ほどで東京都の人口が生み出されれことになる。
すごいピッチで世界の人口が増えていくわけだが、その分だけの食料や衣類あるいは住居が供給され続けなければならないことになる。 いうまでもなく、1日平均18万5000人の人口増加は、地域紛争や疫病の発生さらには餓死をも込み込みの予測である。
大変な規模の需要増加が待ち構えているわけで、それだけでも世界経済は拡大するのは間違いない。 というか、拡大を止めようがないのだ。
そこへ、もっと大きな上乗せ要因が世界経済をさらにさらに拡大成長させることになる。 それは、世界中の人々がより豊かな生活を求めてやまないことだ。
中国を例にとってみよう。 13億余の人々が一律に人民服を着ていた、かつての中国ではない。 すでに1億人ちょっとが自動車を保有するまでになってきている。 そうなると、残りの12億人全員とまではいかなくとも、5億人から7億人は自動車を買いたくて買いたくての潜在購買層といえよう。
おそろしく巨大な購買意欲が横たわっているわけだ。 これは中国だけの話ではない。 世界中どこでも、大なれ小なれ ”より豊かな生活を求める意欲” が爆発しているのだ。
現時点でもそうだが、これから30年40年にわたって、どれだけ多くのエネルギー、食料や水、そして工業原材料を必要とするか、もう想像を絶するものがある。
このニーズの爆発は誰も止められない。 それはそのまま、途方もなく巨大な供給力拡大の投資が続くことになる。 供給力増強を主導する企業活動も、それを応援する長期投資も、これまたどれだけ伸びていくか考えるだけでゾクゾクしてくる。
目先の小さな株価変動なんて、かかずりあっていられない。 安いとこは、とにかく買っておこう。