企業の研究者

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 ある大手化学会社の研究所を訪問させてもらった。 元は生産工場群だったところだが、いまは研究所を集積させている。 そこで、各研究所の所長さん方が、それぞれの分野の研究状況を説明してくれた。

 よくもまあ、あれこれと新しい技術の種があるんだなと、あきれるほどだった。 なかには相当に高度な技術論もあったが、大まかなイメージはつく。 おもしろいのは、それらが人々の生活現場に出揃うまでには、まだ10年20年はかかりそうな技術開発も結構あったことだ。

 とはいえ、民間企業だから飯を食っていかなければいけない。 純粋な基礎研究をびっしりと積み重ねながらも、商売を忘れることなく研究開発しているところがすごい。 その成果を、開発現場で見せてもらったが、既存の製品にあれこれ分析や解析を加えていって、はるかに優れた新製品に仕立て上げてしまった。 理論や計算をこんな風にも役立てられるんだなと、いい勉強させてもらった。

 自分の研究が製品となって世の中のお役に立てられていくというのは、研究者や技術スタッフにとっては仕事冥利に尽きる。 そういった地道な仕事の積み重ねが、企業の発展拡大の土台となっていっている。 もちろん、生産現場や販売営業サイドの奮闘あってこそ、業績の拡大がある。

 その辺りのところをマーケットはすっ飛ばして、株価が下がった損しそうだと大騒ぎする。 企業の地道なビジネス活動からみれば、ほんの刹那的な価格変動に一喜一憂することの無意味さを、昨日はしみじみ感じさせられた。

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