社内の勉強会で、さわかみ投信が追及している長期投資について説明した。 社員の70%ぐらいが自主的に参加したが、本当は全員が参加してもらいたかった。 それほど、うちにとっては重要なことなのだ。
別にうち独特のものを極めようといっているわけではない。 世界中でまともな長期投資ができなくなっており、本来の姿を取り戻そうとしているだけのこと。
いつも書いているように、良い社会をつくっていこう、元気一杯の経済を子供や孫たちに残してやろうとするのが長期投資である。 こんな社会や経済に自分も子供や孫たちも住めたらどんなにすばらしいだろう、そういった思いや意思を実現させる方向で頑張っている企業を応援しようと、お金をまわしてやることだ。
一般的に投資というと、すぐ金儲けとかリターンを考える。 長期投資では、そんなものは結果として後からついてくると考える。 生活者にとって欠かせない、ずっと頑張ってもらいたいと思う企業をなにがなんでも応援するのだ。 応援するという以上は、皆が売り逃げに走る相場暴落時などに、断固とした買いを入れる。 経済状況が良くなって金儲け狙いの投資家が買い群がってきたら、彼らにわか応援団に後は任すべく、利益確定の売りを出す。 この安く買って高く売る作業を繰り返していけば、投資収益は積み上がっていく。
大事なのは、どんな企業を応援しようとするのか、我々の価値観や方向性である。 それが、独善に走ったものならば、世の中はついてきてくれない。 やはり、10年20年後ますますをもって人々が価値やありがたさを認めるであろう企業を選別して応援しなければならない。 つまり、将来を読み込む先見性や洞察力が絶対的に問われるわけだ。
これが本物の長期投資である。 そうじっくり説明すると、世の多くの人々は頭では分かるものの、それでも目先の成績数字に振り回されがちである。 目先の成績数字を意識すると、その瞬間に長期投資が足元から崩れてしまう。 だからといって、いつ上昇に転じてくれるのか定かでない投資環境に長く浸っていると、本当に長期投資って大丈夫なのと問い質したくもなる。
このジレンマをどう乗り越えるか、さわかみ投信の社員に課された永遠のテーマである。 とはいえ、経験を積んで慣れてくると、そう難しい問題でもないと分かってくるが。
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本を出しました。今回は電子書籍版として、スッと読めるボリュームに抑えました。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。ちなみに、黒島の本は紙媒体も用意しております。
澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
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黒島光昭「特許物語」
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