東日本大震災の復興財源に充てる復興債の最終償還期間が25年となる方向のようだ。 それに伴って、復興債の償還財源となる所得税の増税期間も25年になるとのこと。
日本の財政赤字は膨らむ一途だし、予算の無駄遣いは相変わらずなので、復興財源以外にも財源を求める動きはまだまだ高まるのだろう。 そこで事業仕分けという事になるが、国としての長期戦略と具体的な方向を打ち出すことなく、やみくもに科学技術分野などへの予算を削る一方で、各省庁の既得権益はしっかり守ろうとするから、予算はなかなか圧縮できないで来ている。
こう書いてくると、どうしても政治への注文になってしまう。 そうはいうものの、日本の政治家で将来ビジョンをはっきり打ち出している人となると、これまた残念ながらいない。
だから、経済も社会もずるずると下向きで内向きな傾向となっていくばかり。 財政赤字には増税策で、取れるところから税金を取ることしか考えない。 そんなことを繰り返していたら、企業にしても個人にしても富を創造できるところはどんどん海外へ逃げていくことになり、国力はますます落ちていく。
どうせ前向きの政治ができないのなら、すくなくとも消費税を社会保障税に名称を替えて毎年2%ずつ引き上げていき、現在の5%から15%にまでもっていこう。 少子高齢化で膨れ上がる一途の年金など社会福祉関連費用だけは、間接税で国民に広く薄く負担を求めるのだ。 間接税は景気などにあまり影響されない安定度の高い財源となるので、社会福祉関連の財源としては理想的である。
一方、法人税や所得税は経済活動を活発化させるためにも、できるだけ低めにしてアニマルスピリットを発揮させやすい環境を整えてやる必要がある。 そうしないと、経済活力は高まってこないし雇用も生まれない。 今のようなジリ貧をたどり続けると、 それこそ利益誘導さえできなくなる。
明日はインベスターズTVの生放送の日。最近は視聴者からの質問が面白い。夜8時から出演します。
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