バブルと宴

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よく、宴の後の侘しさをいわれるが、バブル崩壊後の後始末も似たようなもの。

海のシーズンはこれからが本番だが、

8月も終わりごろになると、海水浴客もまばらとなり寂寥感が漂うのも同じだね。

 

人々が退きも切らさずに群がり集まってきて、熱気にむんむんしている時は、

その勢いがすべてを正当化してしまう。

夏でも、盛夏と言うと響きの強さが違う。

 

いま、ギリシヤ問題や米国の住宅不況をみるに、

あの頃どうしてあれほどまでに向こう見ずの貸し出し残高を積み上げてしまったのかと、

深く反省している金融機関は数多い。

まさに、宴の後である。

 

そうはいっても、ビジネス取引はきちんと履行されなければならない。

貸したものは契約どおりに返済してもらうか、こちらが身を削って損失処理するしかない。

 

ところが、ギリシャにしてもサブプライムローンにしても相手方の返済能力が低い。

なんとか契約を履行してくれ、無理なら新しい契約に切り替えてもいいよと、

EUはギリシヤが債務不履行に陥らないように必死である。

ギリシヤ問題がグラッとくれば、他の弱小国にも飛び火しかねない。

そうなると、EUの各国政府や銀行はとんでもなく巨額の損失処理を迫られる。

それは、なんとしても避けたい。

 

サブプライムローンも同じ状況にあるが、米銀などはいろいろやりくりしながら損失処理を進めている。

これも時間との競争であるが、景気が上向いてきて住宅価格が上昇してくれると、それだけ問題解決が早まる。

 

どちらにしても、特効薬はない。

ていねいに問題を処理していくしかない。

 

マスコミは、

ギリシヤ問題や米国の住宅不況が世界景気の足を引っ張っているかのような報道をするが、

それは騒ぎすぎである。

多くの金融機関にとっては頭が痛いところかもしれないが、

それと世界の実体経済とを混同してはならない。

世界中のほとんどの人々はギリシヤ問題やサブプライムローンとはまったく無関係に、毎日の生活を送っている。

そういった人々の生活を下支えしている企業活動や長期投資も、やはり無関係である。

ここのところをきちんと整理してみようではないか。

 

明日は大阪出張のためお休みします。