ちょっと変な造語だが、表題の書名で新著の構想を練っている。
1997年の初夏に、
“超インフレがやってくる”
を上梓した。
ずいぶんと版を重ねて、多くの方々に読んでいただいた。
あの当時は日本経済に活力がみなぎっており、
景気回復から好景気到来、そしてインフレ突入という図式が想定できた。
どうしてインフレまでいってしまうのかというと、
バブルに踊った企業や金融機関を救済するためのゾンビ予算を大量にばら撒いていたからだ。
経済合理性を欠いた救済資金投入を続けると、
景気が回復した後で大量にばら撒かれた資金がまたぞろ暴れ出すことになる。
それと、世界人口の増加と経済成長がもたらすエネルギーなど資源や食料の供給不足による価格高騰が、
日本の輸入物価を押し上げるという図式。
こちらは、幸か不幸か日本のデフレ現象と円高に救われて、いまのところ輸入インフレの懸念はない。
ともあれ、当時とは状況が変わった。
というか、相当に悪くなっている。
旧著の出版から14年が経つが、日本経済の自立回復力は信じられないほど落ちてしまった。
一方で、財政赤字や国の借金は制御不能状態にまで膨れ上がった。
それでいて、将来インフレの芽はあちこちで息吹いている。
大量に発行された国債がどうなるのか、国民へのつけはどう回ってくるのか、
国債価格が値崩れしたりしたら年金はどうなるのか、いろいろ悩ましい問題が山積している。
もっと身近には、景気低迷下の物価高あるいは金利上昇、
つまりスタグフレーション到来にどう対応するかだ。
給料は増えないのに、生活コストは上がり税金などの負担も増加する。
だから、窮民インフレといいたくなるわけだ。
もちろん、世の中の不安感を煽る気などない。
自助努力で生活防衛をしていこう、その武器は長期投資なのだ。
新著では、そういう主張を展開することになる。