円高というと日本の投資家はすぐ、
「輸出企業の業績悪化で日本経済は落ち込む、だから株は売りだ」
と条件反射してしまう。
これは個人投資家だけのことではない。
運用のプロを自認する機関投資家も深刻な顔をして
「しっかり状況を把握して今後の見通しを立てよう」
といった会議の連続になる。
ものごとには表と裏があるように、円高にもプラス面がいっぱいある。
たとえば、海外の資源の権益や新興国などで伸び盛りの企業の株式を、
円高時には安く買い取る絶好のチャンスである。
もちろん、
エネルギーや鉄鉱石などの輸入価格も円高に振れた分だけ下がり、
製造コストが下がるから、
中長期的には日本経済にはマイナスどころか大いにプラスとなる。
うまい具合に、日本株市場は円高に脅えて株価水準を大きく下げている。
いろいろな円高メリットが収益に反映される前に仕込んでおきたい。
それが長期投資である。
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【国民ファンドで日本経済を活性化する】
資産効果を日本経済活性化の起爆剤にする③
現に1992年以降、外国人投資家は4回にわたって大きな波のように日本株を買ってきた。その都度、彼らは7兆円~15兆円ほどの日本株を買い越したが、煽られるように国内投資家の株買いも急増し、東京株式市場の時価総額は100兆円以上も膨れ上がった。いずれも日本経済を驚くほど明るくさせた。惜しむらくは、それを奇貨とするような政策の後押しがともなわず、一時的な資産効果に終わってしまった。
株買いは、株式市場を活気づけ資産効果をもたらすだけでは終わらない。株式投資に振り向けられた24兆円は株式市場経由で日本経済の現場へ実弾として投入されることになる。480兆円のGDPに対し24兆円の資金投入だから、単純計算で5%近い景気押し上げ効果が期待できる。国が赤字国債を増発して景気対策予算を組むより、はるかに優れた日本経済の活性化策となるわけだ。
(注)実際には、24兆円が預貯金から流出するから、そのマイナス効果を差し引く必要がある。それでも、全銀行ベースで預貸率が75%前後にまで低下している現実からみても、預貯金マネーから3%ぐらいの資産流出があっても、日本経済にはそれほど大きなマイナス要因とはならないだろう。
つづく・・・