トランプ第1期政権の当時から狙っていた大幅な減税法案が、ようやく議会の承認を得た。
これは富裕層には大歓迎の法案とかで、低所得層にどれだけ恩恵が及ぶか疑わしいようだ。
それは横に置くとして、懸念されるのは米国の財政赤字と債務の拡大である。
通常ならば、米国債の大幅増発で金利は急上昇するはず。
ところが、トランプ大統領はパウエルFRB議長に圧力をかけて、利下げを要求している。
パウエル議長が従わなかかったら、辞任を迫ったり後任議長を早めに決めようとさえ考えているとのこと。
通常では、債務拡大と金利上昇はつきもので、金利の大幅上昇が懸念されるところ。
なのに、トランプ大統領は金利を強引に抑えて、債務を大幅に増加させようとしている。
経済的には無茶苦茶な政策だが、力でもって強引に押し付けようとしているわけだ。
彼の論理では、大幅減税で景気が大幅に浮上し税収も増えるから、それで債務拡大を抑えられるということか。
株式市場も、そのあたりを好感して、やたらと買いを集めている。
さてさて、ここから先どんな展開となっていくのか、トランプ流の無茶苦茶が通るものなのか。
人為でもって経済合理性をないがしろにすることはできようが、それは一時のこと。
やはり、長いめでは経済的な不合理は自然と調整されていくもの。
あるいは、もっと早い段階でトランプ大統領の強引な政策に、NOが突き付けられるかもしれない。
それは、インフレだろう。 それでなくても、関税引き上げで米国内のインフレが懸念されている。
そこへ、国債の大量発行など債務拡大が乗っかってくると、インフレの火を煽ることになる。
こちらの可能性は、よほど経済合理性に則っている。
まあ、自己顕示欲の塊のようなトランプ大統領の無茶苦茶には、いずれ強烈なしっぺ返しが来るだろう。
われわれ本格派の長期投資家は、ちょっと離れたスタンスで、このドタバタ劇を眺めていよう。
彼の無茶苦茶が吹っ飛ぶ時が、われわれの出番である。