表題にピンとくれば、本物の長期投資に慣れ親しんでいる人のはず。 今日は、そのあたりを掘り下げてみよう。
われわれ本格派の長期投資家からすると、東京など大都市に住もうと、地方に住もうと、情報格差など関係ない。
これが、マーケット動向を追いかけたり、次の出世銘柄を見つけようとする投資などだと、そうはいかない。
新しい流行とか世の変化に敏感であろうとすると、どうしても情報が集中する大都市に住む方が有利となる。
その点、いつもマーケットからはつかず離れずで、生活者にとって大事な企業を応援しようとするのが長期投資。
企業を応援するとなれば、常に新しい投資対象を求めて、情報の鮮度などにシャカリキとなる必要もない。
それこそ、日々の生活でなくなっては困る企業の株価が、大きく下がったところを応援買いすればいいだけのこと。
そのうち、経済情勢や投資環境が良くなって、買いたい投資家であふれだしたら、しばらく彼らに応援を任そうと売り上っていく。
この作業を、のんびり繰り返すだけで長期投資となっていくし、十分なる投資収益も確保できる。
おもしろいのは、そういった長期投資で得る100万円は、東京に住もうと、地方に住もうと、同じ100万円である。
ところが、生活コストが大きく違う。 同じ100万円を得ても、お金のつかい勝手が天と地の差となる。
長期投資で積み上がっていく資産のつかい勝手という面では、地方に住む方が圧倒的に有利となる。
であるならば、地方に住んで長期投資をどんどん進め、膨れ上がっていく資産をどんどんつかえば、どうなるか?
お金をつかってやることで、多くの人の収入となり雇用を生んでいく。 つまり、地方経済が活性化する。
なにに、お金をつかってやるかは、地方に住む人たちがそれぞれ好きに考えればいい。
もう、モノは十分にそろっているから、今度は文化・教育・芸術・スポーツ・技術などの分野で、お金をつかってもいい。
どうせなら、大都市にあって地方からみると羨ましいなと思える方向で、お金をつかってやるのも面白い。
そう、こちらには大自然がある。 残るは、大都市の良いところだけを、我が市や我が町にどんどん移入するのだ。
どれもこれも、長期投資で生まれてくる余剰をもってすれば、なんでもできてしまう。
地方に住む人たちが本格的な長期投資に慣れ親しんでもらい、そのリターンでもって経済や社会を活性化する。
自分たちのお金と意思でもって、住みやすい我が市や我が町をつくっていくのだ。
これが、さわかみグループがずっと力を入れている、長期投資をベースとした地域経済活性化のお手伝いである。