投資するのと、資産形成とは違う

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最近の株高を受けて、若い人たちの間で投資熱が高まっているようだ。

ネット証券中心に、小口売買ができたり手数料が引き下げられたりで、株式投資の敷居がずいぶん低くなってきた。

それはそれで結構なこと。 大体からして、株式の最低売買単位が100株からと括られている日本がおかしい。

米国などでは、ずっと昔から株式投資は1株からの売買と、誰でも小額から簡単に投資をはじめられるというのに。

ともあれ、最近の株価上昇に煽られて投資熱というか投機熱が高まっているとしたら、この先お大事にだ。

なにしろ、世界の債券や株式市場は、カネ余りバブル相場の最終局面にある。

それに対し、インフレや金利上昇の刃が突き刺さってきていて、いつ大崩れに入るかが懸念されるところ。

こんなところから投資をはじめると、高値つかみして大やられする可能性を否定できない。

もっとも、それらの逆境を乗り越えてさらに株価などが上昇するかもしれないが、そこは神のみぞ知るの世界。

同様に、金の価格も1万円の大台に乗ってきたから、金投資に興味が出てきたというのも危ういものがある。

金価格が1万円に乗ってきたといっても、1ドル147円という円安の結果でしかない。

ちなみに、金相場は国際価格でみるべきもので、現在1トロイオンス1960ドル前後をウロウロしている。

もちろん、株価や金価格が上がってきた、その上昇モメンタムに飛び乗って儲けようの投資や投機も、あっていい。

そういった投資や投機は、儲かった損したを繰り返すもので、それ自体スリルがあって楽しめる。

ただ、資産形成したいとなると、ひたすら相場を追いかけて値ざやを稼ごうとする投資や投機では困る。

もっと再現性の高い投資を繰り返し、得た利益の再投資効果で資産を雪だるま式に増やしていきたい。

そのためには、相場を追いかけるよりも、安く買っておいて高くなって売るのリズムが大事になってくる。

つまり、本格的な長期投資運用を実践していくことだ。 となると、待つのも投資のリズムとして学ぼう。

そして、大きく下がったところで、待ってましたの買いを入れるのだ。

このあたりのアドバイスをしてくれる証券会社やファイナンシャルプランナーがいてくれるといいのだが。

彼らの多くが、ひたすら相場を追いかける投資を繰り返してきたから、長期投資のリズムには不慣れである。

願わくは、一人でも多くの個人投資家が、この長期投資家日記を熟読してくれて、待つことを覚えてもらいたいものだ。