もうそれほど遠くない金融バブル崩壊だが、どのような修羅場が待ち構えているか、そろそろ想定しておいていいだろう。
早すぎる? 以下に書くバブル崩壊後の大混乱を考えるに、いくらでも早く手を打っておいて損はない。
具体的に例を挙げて考えてみよう。 世界最大といわれる米国の運用会社には、800兆円を超す資金が集まってきている。
ゼロ金利と未曽有の資金供給で運用難に苦しむ、世界の金融機関や年金など機関投資家の資金が、我も我もと運用を委託してきているのだ。
日本経済の1.5倍もの巨額資金を預かって、その運用会社は金融マーケット中心に資金を張り付け、それでもって運用収益を上げようとしている。
その投資勘定がバブル崩壊ともなると、巨額の投資損を蒙るだけではなく、大半が売るに売れない状況に叩き落される。
となると、そこへ資金を預けていた銀行や年金などは巨額の評価損と、かといって解約して現金化もできない投資勘定を大量に抱え込むことになる。
この図式は、現行のカネあまり金融バブルに踊っている参加者すべてに共通のものとなる。
どの参加者も、バブルに酔いしれていた資産価値は吹っ飛び、逆に巨額の損失と売るに売れない投資勘定で塗炭の苦しみを味わうことになる。
銀行など金融機関は資金繰りに追われ、年金などは巨額の投資損失を計上することになる。
それだけではない。 バブルで膨れ上がっていた勘定が蒸発したように消え去り、金融マーケットはもちろん世界経済の現場でマネーや信用が急収縮する。
当然のことながら、金利は急上昇に転じる。 現在の超カネあまり状態がウソのような資金不足に一転するのだ。
そうなると、ゼロ金利だ資金はいくらでも借りられるといってバブルに踊っていた企業や金融機関は、金利コストの急上昇に直面する。
巨額の投資損や評価損を抱えた上に、金利コストの上昇に追い回されるようになると、経営は厳しくなる。
当然のことながら、企業や金融機関の経営危機も現実問題となってくる。
ウンザリするような展開だが、これら全部が一挙に押し寄せてくるのが、来る金融バブルの崩壊である。
ここまで考えたなら、一刻も早く現行のバブルから離れた方が賢いとなろう。 早いに越したことはない。
すなわち、どんな時でも存在する人々の生活とそれを支える企業活動、つまり実体経済に資金も投資も集中させることだ。
そう、われわれの長期投資をグイグイと進めておくに限る。