金あまりディーリング相場バブルの終焉

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壮大なディーリング相場が続いている。 史上空前の金融緩和で、前代未聞の大量のマネーが金融マーケットに流れ込んでいる。

次から次へと供給されるマネーは、もう買うことしか考えない。 かりに利益確定で売ったとしても、すぐまた買うしかない。

かくして、あらゆる金融商品にマネーが買い群がっている。 それも、続々と新規マネーが来着するから、それに煽られ続けてだ。

買う一方で、売ってもすぐ買い戻す。 典型的なディーリング相場である、それも超巨大な。

たとえば債券市場。 ほとんどゼロコストの資金が調達できると、各国の企業は債券の大量発行に走るが、買い手はいくらでもいるから即座に消化される。

そんな状況だから、債券価格は天井圏に張り付いたまま。 その挙句、マイナス金利の国債に17兆ドルもの資金が買い群がっている。

株式市場でも大量のマネーが買い漁っている。 だから、米国などでは史上最高値を繰り返し更新する活況だ。

どう見ても、金あまりのバブル相場である。 ただ、このバブルは質が悪い。 各国の政府中央銀行が後押ししているバブルなのだ。

そう、各国の政府中央銀行公認の、これまた前代未聞のバブルである。 中央銀行が資金をいくらでも供給するというから、きわめて質の悪いバブルとなってしまう。

このバブル相場に買い群がっているプレーヤーたちは、もう怖いもの知らずだ。 いくら高値追いを続けようと、後から後からマネーが供給されるのだ。

さてさて、この状況はいつまで続くのだろうか? ポピュリスト政治家たちは、株高債券高にほくそ笑んでいるだろうが、、、、。

いつのバブルもどこかで終焉を迎える。 いかに政府中央銀行公認のバブル相場だろうと、経済合理性の鉄槌は必ず下る。

なにかのきっかけで、高値追いしてきたマーケットの一角が崩れ出すと、あっという間に横へ連鎖して、バブルは吹っ飛ぶ。

その時は、野放図に紙幣を刷りまくってマネーを大量供給してきた咎めが、中央銀行の信用失墜として表面化しよう。

いや、お金の価値が下がるのが先かもしれない。 お金の価値が下がれば、バブル高してきた投資対象も中身は泡だったということになり、マーケットは総売り状況となる。

どちらが先かは知れないが、金あまりディーリング相場バブルの終焉は、突然やってこよう。 それも、そう遠くない先に。

われわれ長期投資家は、いつでも人々の生活を支えている経済の本質部分に軸足を置いているから、なにも怖れることはない。

むしろ、本来価値のあるものを超のつく大バーゲンハンティングするチャンス到来で、大忙しとなる。