投信業界のみならず、日本にとっても重要なテーマが、どう若い投資家を増やしていくかだ。
積立NISAの制度が導入されたり、個人型確定拠出年金(iDeCo)の充実を図ったりしているのは、国の年金制度が限界に近づいているからのこと。
とりわけ若い人たちは、よほど将来の備えをしっかりやっておかないと、悲惨な老後を迎えかねない。
それで、国を挙げて「貯蓄から投資へ」を提唱しているわけだ。 だが、高齢者層中心に貯蓄信仰は岩盤のように強固で、預貯金ツンドラ(永久凍土)はなかなか溶け出しそうにない。
とはいえ、若い人たちの間では投資を考えてみようかとする動きは、静かに高まっている。
しばらく前までは、「投資にまわす余裕などないです」で終わっていたのに、最近は「それでも、投資をしておいた方がいいのでは」といった関心の高まりを示すケースが多くなっている。
問題は、そこから先だ。 強く背中を押してやれば、動くのは間違いない。 日本人の場合、国でもなんでも強いところに押されると、すぐ動く。
しかし、できれば自分の意思で投資への一歩を踏み出してもらいたい。 では、若い人たちを、どう行動に移さすか。
年金が当てにならないというのは、なんとなく分かっている。 投資をしておいた方がいいのも分かっている。
そんな若い人たちに、そこからの一歩を、どう踏み出させたらいいのか。
悩みは、メディアも同じこと。 マネー誌中心に、若い読者層をどう増やしていくか。
最近、そのあたりを集中的に話し合っている。 9月に入ってくると、その一部を紹介できよう。