8月からの株式市場を見ていると、投資家は相当にヤキモキさせらているのではないかな、そう思う。
年初からの新NISAお祭り騒ぎにも乗って、株価全般は好調に上伸してきた。
ところが、8月5日の史上最大ともいわれた棒下げ以来、株式市場の展開は迷走気味となっている。
それは海外株式市場も同じで、その後も高値更新しているNY市場でさえ、いまいち腰の定まらない動きとなっている。
普通、そういった膠着相場や高値圏での乱高下でも、長期投資家はのんびりと構えていればいい。
どうせ長期的には株価は上がる、だから「長期投資で、のんびりいけばいい」と割り切れる。
その点、短期の株価変動をとらえて値ざやを稼ごうとする投資家たちには、「のんびりと」などあり得ない。
8月以降の株価の乱高下を上手く捉えたのか、ただ振り回されたのかは別として、さぞ忙しかっただろう。
さて、本論の長期投資に戻るが、ただ「やみくもに、のんびり」ではない。
大きな方向感をもった上で、「どっしり、のんびりと構える」のだ。
方向感? そう、この20年ほど、とりわけリーマンショック後の世界的なカネ余り相場に乗ってきた銘柄群には要注意。
昨年から、世界的なインフレ圧力からくる、金利上昇という刃が突き刺さってきている。
金利上昇はカネ余り相場に対する強烈なボデーブローであって、必ず効いてくる。
いずれ時間の問題で、ここまで高値を舞ってきた企業群の株価は暴落しよう。
やたらメッチャに買われてきたのだから、凄まじい量の売りが出てくるのは当然のこと。
そういった銘柄群は、一刻も早く利益確定の現金化を急ぐべきで、のんびりどころではない。
一方、カネ余りバブル高の相場にいまいち乗れなかったり、ずっと圏外にあった株式群は、大きく売られることもない。
したがって、このまま長期保有していればいい。 もちろん、よほど将来性のない企業群は別としてだが。
このあたり、きちんとした方向感をもって行動するのが、本格派の長期投資というものである。
ここまでは、長期投資におけるイロハのイであるが、インデックス運用は例外である。
多くの企業の株式を、それこそ玉石混交で買い上がるから、金利上昇に弱い銘柄群も多数組み込まれる。
それら石ころ銘柄群の株価下落に引きずられて、インデックス運用の成績も低迷を余儀なくされるのは避けようがない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、ていねいに応援企業を選別してきているから、それこそのんびりを貫ける。