毎週週明け恒例の朝の会議を次々とこなして、自席について驚いてしまった。
なに、この上げっぷりは! 日経平均株価で900円を超す急上昇だぞと。
勢いがついてしまったマーケットの、これだけの上げっぷりは、何10年ぶりといっていいだろう。
投資家や市場関係者の間では、「34年ぶりの高値だ、それ行け!」で、やたら気合いが入っていることだろう。
一方、われわれ本格派の長期投資家からすると、「ありがとう」といって、どんどん売り上がっていく。
もう既に、売れるものは売ってしまっているが、それでも一層の現金づくりに絶好のチャンス。
これだけ株価上昇の勢いがついて、上げピッチが軽くなってくると、なにかの加減で一転して棒下げとなるもの。
その前に、できるだけ現金ポジションを高めておきたい。 ここでの現金づくりは価値がある。
高値で売って、大きく下げたところでバーゲンハンティングするための軍資金を、たっぷりと準備しておこう。
投資って、そういうものだ。 証券マンや市場関係者と一緒になって、トコトン高値を追いかけるのではない。
本物の投資家は適当なところで売って利益を確定すると同時に投下資金を回収し、次の出番に備える。
このリズムが大事で、投資家にとっては安定度高く財産づくりしていく上で絶対重視である。
ところが、機関投資家にとっては自分の判断で、さっさと利益確定の売りを出すなんて、危険きわまりない。
彼らにとっては、マーケットからは離れず、かつ競争相手にも運用成績で差をつけられないが絶対死守である。
この上昇相場で、われわれ本格派の長期投資家のように、早い段階から売り上がっていたら、今頃はクビだ。
マーケットの上昇から大きく引き離されるは、成績不振を追求されるはで、投資不適格者の烙印を押されてしまう。
下手な投資判断などせず、ずっとマーケットについていくのが、彼らには一番の安全策である。
それが故に、機関投資家は音楽が鳴っている間は、ダンスを踊り続けなければならないと言わるれるのだ。
どこかで相場が暴落したら? 大丈夫、マーケットも下がっているし、競争相手も大きくやられている。
大きな下げで、不可抗力でしたと言えば、それ以上は追及されない。
おそろしく無責任だが、それが世界の運用マネーの大半を握っている機関投資家の行動パターンである。
そう、これだけしぶとく上昇相場が続いているのも、機関投資家がピタッとマーケットに引っ付いているからだ。
われわれ本格派の長期投資家は、彼らと一緒に暴落相場を食らう気など、さらさらない。