この40年余、世界の金融マーケットはずっと右肩上がり上昇を続けてきた。
もっとも、その間には1987年10月のブラックマンデー、2000年2月のITバブル崩壊、01年9月の同時多発テロ、
08年9月のリーマンショック、20年のコロナ感染問題と、大きな下げを記録した。
とはいえ、その都度、先進国中心に以前にもまして巨額の資金供給で、マーケット下落を押し止めてきた。
結果的にみてみると、世界の金融マーケットは40年余り上昇基調が続いてきたわけだ。
その間に、年金マネーが世界最大の運用資金に躍り出て、ずっと買いの主役を演じてきた。
膨れ上がり続ける年金マネーでもって、株式にしても債券にしても買い増しの一途。
そこへ、ゼロ金利やマイナス金利、そして空前の資金供給で金融緩和を深掘りし続けてきた。
ということは、世界の投資家や市場関係者の大半は、もう上昇相場しか知らない人たちなのだ。
だから、株価にしろまだまだ上がっていくと信じ込んで疑わない。
米国の債券投資家は金利上昇で、1兆ドルを超す含み損を抱え込んでいるにも拘わらず、強気を保っている。
これらはどれも、下げ相場を知らない人たちの楽観から来るものだ。
下げ相場の恐ろしさを経験していれば、こんな金融緩和バブルの最終局面だ、その崩壊前に売っておこうとなる。
ところが、個人も機関投資家もまた市場関係者も、みな相場が崩れるなんて、まったく想定していない。
それどころか、今年どこかで金利引き上げもあり、まだ買えるとばかり強気を張っている。
まあ強気を張るのは、人それぞれの自由。 しかるに、経済合理性に逆らい続けることはできない。
世界的なインフレの根は深いし、金利も上昇してきている。 これは、経済合理性のしからしめるところである。
そもそも、金利のない経済なんてありえない。 その是正だって、異常が正常に戻るだけのこと。
そんなわけで、この長期投資家日記では以前からバブル崩壊を訴えてきたわけだ。
昔から、山高ければ谷深しといわれるように、いざ崩れがはじまったら、とんでもない売りが殺到するのだろう。
おそらくだが、下げ相場を知らない人たちばかりだ、とんでもないパニック売りとなろう。
こちら本格派の長期投資家としては、バーゲンハンティングに出る準備は万端である。
ただ、すごい下げになるだろうから、少し様子を見てからのバーゲンハンティングとなろう。