長期投資も寄付も、お金に働いもらうことだよ

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12月は「寄付月間」。 早々と、いつもより多くの寄付をさせてもらって、ふと考えた。

そういえば、はるか昔は寄付しても、せいぜい生活などで困っている人たちに、お届けしよう。

あるいは、赤十字や国境なき医師団、あしなが育英会とかに協力しよう、そのぐらいの考えだった。

ところが、ずっと長期投資をやってきて、寄付に対する考え方が、どんどん積極的になっていった自分に驚いている。

長期投資は将来社会をつくっていく方向で、自分も働くが、お金にも働いてもらうことである。

将来をつくっていくというなら、どんな社会にしていきたいのかの夢や思い、そして意思が働いて当然である。

その方向で、しっかりお金に働いてもらっていく過程で、金銭的なリターンなどは後からついてくるだけのこと。

後からついてくるとはいえ、この長期投資家日記でずっと書いているように、安定度も再現性も高い金銭リターンだ。

それで、十分に財産づくりになっていく。 そのあたりは、さわかみファンドの24年間の実績を見れば一目瞭然だろう。

世の多くの投資家たちが、儲けよう儲けようでマーケットにしがみついては、投資は難しいリスクが多いと嘆いているのとは、大違いである。

ともあれ、長期投資でもって時間はかかるが、すこしずつ「より良い社会」をつくっていける。

このリターンの方が、はるかに価値がある。 自分自分で生きているより、ずっと楽しい。

なにしろ、そこに住む自分や家族そして多くの人たちが、みなで「より良い社会」を享受できるのだから。

もちろん、より多くの人々を巻き込んだ方が、より早く「より良い社会」をつくっていける。

そこに、寄付というものが入ってくるのだ。 長期投資と同じく、いくらでもお金に働いてもらえる。

世の中に良かれとか、こんなお手伝いをしようと、日々頑張っている人たちが一杯いる。

困難に瀕している子どもたちのために活動をしている人たちもいる。

あるいは、音楽や芸術、スポーツなど、各分野の職人さんなど、地道に努力を重ねている人たちもいる。

その人たちに寄付で、お金がまわれば「ありがとう」の言葉と一緒に、「もっともっと頑張るよ」という意思が戻ってくる。

みなして、より良い社会をつくっていっているのだ。 意思をもった寄付って、すごい仕事をしてくれる。

一度、「お金をまわそう基金」や「さわかみオペラ財団」の㏋を覗いてみてほしい。

寄付でどんなことができるのか、感じていただけたらと思う。