徳島、会津の喜多方、南魚沼ときて、青森は弘前でも火がついてきた。
こう書きだしても、なんのことかピンと来ないかもしれない。
スタートはどこも、オペラコンサートだった。 それが、いまや町の活性化につながり始めているのだ。
2度ほどオペラコンサートを楽しんでいる間に、地元の人たちが本格的なオペラ舞台に上がりたくなってきた。
コンサートを聴いて楽しむだけでなく、自分たちも合唱などで舞台に上がりたいと言いだした。
こちらは、音楽や歌のレベルには妥協なしだから、1年間の特訓を経て舞台に上がってもらうを条件にしている。
皆さん、「もちろん、それでいい。是非とも挑戦したい」と言いつつ、仲間をどんどん増やしてくる。
気がついたら、徳島で100名を超え、喜多方や南魚沼で50名前後が、月1~3回の稽古や特訓に参加している。
ごく普通の一般市民たちが、ウチのプロによる厳しい指導で鍛えられて、レベルが上がっていくのを楽しんでいる。
そして、その集大成としての本番を乗り切った時の達成感や充実感は、また格別のようだ。
それが病みつきになって、もう止められないと、みな異口同音に「また来年のオペラにも出たい」と訴えてくる。
その流れの中で、合唱のみならず、助演や舞台の裏方を手伝いたいという人も増えてきた。
そういった積極参加者たちが、各地で1年を通した特訓を励みながら楽しんでいる。
それも、ただではない。 皆さん、リハーサル会場などの使用料を負担したりと、なんだかんだとお金をつかう。
それだけではなく、本番の舞台で着るべく、ネットなどを通して衣装などを買い揃えている。
楽しみながら、お金をつかっていくわけだ。 そういった支払いが、地元経済に落ちていく循環となっている。
先行している徳島では、オペラ本番の日に出店が出て、地元の食材を提供するまでになってきた。
全国各地からオペラ鑑賞にやって来る人達に、徳島の特産を賞味してもらおうというわけだ。
もうこうなってくると、大人の文化祭みたいになって、地元の人たちが多く参加してワイワイと楽しんでいる。
そういった活性化を、是非われわれの街でもといった問い合わせが、どんどん舞い込むようになってきた。
結構なことである。 どこもマンネリに陥るどころか、どんどん賑やかになっていっている。
なんとも楽しいのは、皆さんオペラを通じて、さわかみグループが近い存在になってきているようだ。
それで、「私も、さわかみファンドをはじめました」なんて、挨拶されるケースが多くなっている。
願ってもなく結構な展開であり、ますます力が入ってくる。