日本の投信会社のほとんどが証券や銀行など大手金融機関の子会社である。
独立系の投信会社となると、ほんの数社にすぎない。 もっとも、当初は10社が独立系を目指した。
それが、いつの間にかいくつかが金融機関の傘下となってしまっている。
その理由は、投資家顧客の開拓が思うように進まなかったのと、その間に資本を食いつぶしたためだ。
一方、投資顧問会社となると独立系の助言会社も一任運用会社も、結構頑張っている。
投信業務と違って、顧客口座管理にそれほどコストが嵩まない。 それで、小ぶりでもやっていけるからだ。
このあたりをなんとかしないと、それこそ資産運用立国もあったものではない。
投資助言や一任業務は投資家顧客とは個別対応だから、おのずと預かり資産が限定される。
それに対し、投信であれば1本のファンドで100万でも200万口座でも、お受けできる。
そこで大事になってくるのは、投信会社の顧客口座管理全般で発生する固定費コストを、どう賄っていくかだ。
そのカギとなるのが、投信のプラットホーム会社設立であり、先日書いたとおり。
投信のプラットホーム会社が顧客口座管理業務の大半を引き受けてくれれば、状況は一変する。
資産運用ビジネスを志す人たちが続々と投信ビジネスの旗を揚げられる。
自分の得意とする運用を打ち出して、実績の積み上がりをもって投資家顧客が集まってくれるのを待てばいい。
その間、顧客口座管理全般はプラットホーム会社にお任せで、運用資産残高に応じた費用を払うだけで済む。
現状のように、顧客口座管理全般を投信各社が自前で担当し、多額の固定費負担に追いまくられるのとは違う。
公募投信だから、運用実績の積み上がりは日々の公開情報として一般投資家の知るところとなる。
それをみて、個々の投資家は自分の資産形成目的に適った投信ファンドを選択すればいい。
運用実績の積み上がりをもって投資家顧客がしり上がりに増加していくのが、資産運用ビジネスの本来の姿。
つまり、大手金融機関などの販売力に頼らずとも、運用資産は増やしていける。
このあたりをクリアしていくと、資産運用立国の姿が見えてくる。
また、我こそはの運用者たちが続々と投信ビジネスに進出してきて、健全なる運用競争を展開する。
それでもって、日本の資産運用ビジネス全般のレベルアップが、大いに期待できることになる。
結果として、日本国民の資産形成が進み、年金不安や老後不安などは一掃できることになる。