未経験であるが故の楽観

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ここ最近の金融マーケットの動向や、市場関係者のコメントをみるに、未経験の怖さが随所に出ている。

それで、株価がちょっと戻れば、すぐ飛びつき買いに走ったりと、バブル投機を続けるばかり。

たとえば、いま進行中の世界的なインフレに対しても、40年以上ぶりのことである。

マーケット参加者のほとんどは、当時のインフレに関しては、話に聞いたぐらいでしかない。

あの当時、凄まじいインフレで株価や債券価格がどう動いたかに対し、まったく未経験である。

ましてや、長期金利が米国でいうと、10%台が6年強も続き、一時は15.8%をつけたなんて、遠い世界の出来事ぐらいにしか感じられないだろう。

そんなわけで、先週もそうだが、ちょっとマーケットが上向くと、すぐ楽観的な観測が次々と出される始末。

いわく、インフレは終息に向かいだしているとか、金利の上昇も頭打ちとなるだろうとかなどだ。

そういった観測に輪をかけるのが、世界の機関投資家たちのマーケット追随姿勢である。

彼らは、とにもかくにもマーケットに引き離されないよう、成績を追いかけなければいけない。

だから、自分の判断で相場を途中下車できない。 下手に自分の相場観で動いてしまったら、身の破滅となりかねない。

たとえば、これはバブルだと判断して、われわれ本格派の長期投資家のように、さっさと売るとしよう。

売った後も、マーケットが大きく崩れない限り、マーケットや競争相手とは成績差がついてしまう。

それは、機関投資家の運用者にとって致命的な評価減となって、首になるか契約解消に直結する。

かくして、機関投資家運用者の大半が、最後の最後までマーケットについていかざるを得ないわけだ。

いわゆる、音楽が鳴っている間はダンスを踊り続けなければならないとされる、機関投資家の宿痾だ。

以上のふたつが重なって、金融マーケット全般がしぶとく持ちこたえている。

とはいえ、日本を除いて世界的に金利は上がってきているし、インフレ基調も簡単には収まりそうにない。

超のつくほどの金融緩和政策に乗ってきた、ほとんどの金融商品は一刻も早く売るに如かずである。

そのうち、本当の暴落がはじまったら、売るに売れない修羅場に放り込まれることになる。

まあ、酷いことになるのだろうが、われわれ本格派の長期投資家は高みの見物だ。