経済合理性への抵抗、無理だしムダだよ

Browse By

円安阻止の円買い介入で、この1か月間で9.1兆円もの資金を投入したとのこと。

月間では、過去最大の為替介入となったわけだ。 そして、財務省は断固たる措置を講じるといっている。

いくら世界最大の債権国で、米国債の最大保有国だといっても、為替介入の資金にも限度がある。

そもそも、円安阻止の為替介入は無理のゴリ押しであり、ムダな国費の投入となるだけだ。

無理? そう、世界的なインフレ圧力による金利上昇は、米国はじめ世界の潮流である。

したがって、日本政府による円安阻止の為替介入に、国際的な協調体制を依頼するなんて、各国が拒否するに決まっている。

つまり、日本が単独で円買い介入しているわけで、経済合理性を無視した暴挙というしかない。

暴挙? そう、米国の長期金利4.05%(昨日)に対し、日本は0.25%に抑え込んでいるから、金利差は3.8%にも広がっている。

米国との金利差が3.8%にも広がれば、日本から米国へ向かって資金が流れ込むのは当然のこと。

それはそのまま、円売りドル買いの経済行動となる。 その流れを、阻止しようと財務省は円買い介入しているのだ。

大河の流れを必死に堰き止めようとしているようなもの。 暴挙というしかない。

どうしたらいいのか? 日銀が金融緩和政策を止めて、日本の金利上昇を認めることだ。

日米の金利差が縮小すれば、放っておいても円売りドル買いの流れは収まる。 それが、経済の合理性というもの。

もうひとつの方法は、為替介入などせず円売りドル買いの流れを放置しておくことだ。

円がどこまで下がるか知らないが、日本から米国へのマネーシフトがどんどん進むに任せておこう。

そのうち、日本の国内でマネー不足が顕著となってきて、日本の金利は自然と上昇しだす。

そしたら、米国へ流れ込んでいったマネーの国内還流が活発となり、円安は止まり円高反発もあり得る。

これまた、経済の合理的な流れであり、需要と供給の力関係で収まるところに収まっていく。

為政者がいくら力で経済合理性を抑え込もうとしたところで、お釈迦様の手のひらの中を飛び回る孫悟空のようなもの。

どちらにしても、日本の金利は上がっていく。 無理やムダな抵抗は、止めた方がよほど賢明である。

なにしろ、世界のインフレ圧力とそれによる金利上昇は、いまや大河の滔々たる流れとなっているのだから。

流れには逆らわず、その中でもって適切な政策を講じるべきだ。