しぶといね、株価も債券市場も

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米国の株式市場や債券市場をみていると、しぶといなと感心してしまう。

ここまででも、政策金利は2.25%も引き上げられてきた。 それを、なんとも思っていないようだ。

来週20日21日のFOMC(全米公開市場委員会)では、さらに0.75%の引き上げが予測されている。

政策金利が3%も引き上げられた経済となっていくのだ。 それでも、株式市場や債券市場は実に落ち着いたもの。

どう考えても、おかしい。 3%も金利が上がれば、それをも上回るだけの業績向上が期待できないと、株式なんてとても買えない。

債券にいたっては、これまでゼロ金利をいいことに大量発行されてきた低利回り債が、乗り換え売りラッシュに曝されて当然である。

現に、米国の債券投資家は年初からで早くも20%の資産減少を食らっているとのこと。

それでも、株式市場も債券市場も大崩れの気配さえない。 一体、どうなっているのだろう?

ひとつ考えられるのは、投資家の大半が短期運用やディーリング指向になっているからなんだろう。

日々の売買どころか、時々刻々の値動きに反応した売買を主とする投資家からすれば、経済や投資環境の大局観など不要。

そんなものよりも、カネ余りを反映させたマーケット動向が続いている限り、そこで踊り続けることを良しとする。

そういった短期の投資家やディーラーたちにとっては、大崩れの読みや懸念などよりも時々刻々の値動きの方が重要である。

また、マスコミは直近の事象を報道するのが仕事。 それも、社会の関心を浴びるように、いつも大げさに騒ぐ。

だから、株式市場や債券市場のいまの値動きを中心として、これから新しい上昇相場がはじまるような記事も多々ある。

まあ、行き着くところまで行ってもらおう。 そうなれば、投資家たちは地獄に苦しみ、マスコミも手の平を返したように大変だと大騒ぎする。

われわれ長期投資家は、いついかなる時も大局観に立った行動を絶対的に重視する。

この金利上昇も、世界的なインフレ圧力も、まだまだ続く可能性は否定できない。

一刻も早く金融緩和バブル的なものからは遠く離れて、実体経済をベースとした投資に資産をシフトしておこう。

どんな時でも、人々の生活とそれを支える企業活動は消えてなくならない。

そこから一歩も離れないのが長期投資である。 インフレも金利上昇も実体経済からの声であって、長期投資ならいくらでも乗っていける。