資産の目減りか、もともと無かったのか

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米国では、最近の株価下落で、9兆ドルほどの資産目減りが発生しているとのこと。

ここまでの株高で、「儲かった、資産が殖えた」と喜んでいた人達からすると、ずいぶんの資産減価である。

マスコミはいま現在の状況を、これでもかこれでもかと語ったり、騒ぎ立てるのを仕事としている。

したがって、9兆ドルもの資産減価は、かなり衝撃的なニュースとなる。

一方、われわれ長期投資家からすると、「いよいよバブルが弾けだしてきたな」という程度の感想しかない。

これでもかこれでもかの金融緩和で、ずいぶんとバブル膨れしてきた資産勘定だ。

それが、空気が抜け出したたように、しぼみ始めてきただけのこと。

したがって、別に驚くには値しない。 もともと無かった資産勘定なんだから。

このあたりの展開を、落ち着いた状況報道に徹してくれるよう、マスコミに願っても通じない。

つまり、バブル高してきたものが消滅するのは自然な流れで、大変な事態発生ではない。

むしろ、経済活動の健全化につながるといった報道があってほしい。

ところがマスコミにとって、そういった客観的かつ大局的な視点での報道は、どうも苦手のようだ。

いずれ本格化するバブル崩壊の過程では、「大変なことになった、巨額の資産勘定が吹っ飛んで行く」で、大騒ぎしてくれるのだろう。

いざそうなったところで、われわれ長期投資家ならずとも、冷静に対応したいものだ。

バブルが弾けたところで、株価や債券価格が暴落したところで、人々の生活はなくならない。

それに応じた企業活動も、一時として止まることなく続けられる。

また、そういった実体経済をベースとして、より健全な経済活動がはっきり見えてくる。

大騒ぎの横で、そういったまともな経済や社会の姿が顔を出してくるのだ。