米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)が、3月に続いて2度目の利上げを決めた。
同時に、従来の金融緩和政策から引き締めへと、大きく舵を切った。
消費者物価指数が40年ぶりの高水準となるなどで、インフレ阻止を最優先させざるを得なくなったわけだ。
それを受けて、長期金利は3%台に乗ってきたし、昨日のNY株式市場は1000ドルを超す急落となった。
米国の市場関係者や投資家の間では、インフレ高進と金利上昇に身構える姿勢を強めつつある。
とはいえ、まだ金融緩和バブルの終焉とまでは意識していないようだ。
それが故に、FRBによる金融引き締めを想定内の政策と受け留めて、総売りの雪崩れ現象には至っていない。
なんとも根強いカネ余り楽観だが、そういつまでも続きはしないだろう。
金融引き締めと利上げは今後も続き、どこかで急激にカネ余りが縮小に向かい出すのは間違いない。
すなわち、バブル高してきた債券市場も株式市場も、いずれは大崩れに入っていく。
そうなると世の中は、インフレ、金利上昇、金融マーケットの大崩れ、これらを一緒くたにして大騒ぎしよう。
そこで冷静さを失なわず、次の行動に入っていくのが、われわれ長期投資家である。
異常なる金融緩和は、インフレと金利上昇で終止符を打つ。 それは、ごく自然な経済現象である。
たまたまインフレ到来という要素が絡んできているが、金融や金利の正常化はあって当然の方向である。
それに対し、どう行動するかが投資というものである。 インフレに乗れてしまう投資を考えればいいだけのこと。
一方、われわれ長期投資家は以前から主張してきているように、金融マーケットのバブル高とは一線を画してきた。
したがって、債券や株式市場のバブル崩壊に大慌てとなることもない。 むしろ、バーゲンハンティングに入っていける。
ここまでは、すらっと書いてこれた。 ひとつだけ理解できないのが、日銀そして日本の金融政策である。
これだけインフレの懸念が高まっているのに、相変わらずの金融緩和政策を頑として変えようとしない。
130円を超す円安となっても、輸入インフレを警戒しようとしない。 一体、なにを考えているのだろう?
経済活動の原点である市場での価格形成を、政策でもって押しつぶしてきている傲慢さは、そういつまでも続かない。
いずれ、市場そして経済合理性の反撃を食らい、とんでもない大混乱に日本全体が叩き落されよう。
そこでも、また長期投資家の冷静なる判断と行動が光り輝こう。