NY株式市場も、日本株市場も大きく下げている。 それも、連日の下げだ。
ここまで、カネ余りバブルに踊ってきた投資家たちにとっては、さぞかし嫌な展開となっていることだろう。
インフレ、ウクライナ、景気動向、中国でのコロナ閉鎖など、株価にはマイナス材料が目白押しとなっている。
マイナス材料だけではない。 マーケット全般を下押しする圧力が、どんどん強くなっているのだ。
下押し圧力? ここまで買って買いまくってきた投資残が、どんどん重くなっていく。
マイナス材料を云々する前に、株価そのものの重みが投資家たちにのしかかってくるのだ。
ガンガンの強気で買っている間は、株価などが軽々と舞い上がっていった。
それで、どの投資家もさらなる強気を張って、買い上がっていってたものだ。
ところが、上昇トレンドが鈍り、むしろ下げ基調が強くなっていくにつれて、状況は様変わりとなる。
ここまで買って買いまくってきた投資残高の重みが、ずっしりと効いてくるのだ。
そうなってくると、買い残の重みを突破するには、相当に強い買いエネルギーが求められる。
ちょっとやそっとの買いでは、上値の重さにたちまち押し潰される。
押しつぶされるたびに、上値の重さがさらに増すといった展開となっていく。
そして、どこかで底が抜けたような下げ相場に入っていく。 そこからは、買いどころか売り一色の相場となる。
これが、バブル買いの末路である。 これまで買って買いまくってきたが故に、それらが売りに転じると悲惨である。
買いなんて、どこからも出てこない。 そこで、ますます売り逃げの勢いが加速する。
われわれ長期投資家からすると、ずっと早い段階でカネ余りバブルからは遠く離れていた。
したがって、総売りの下げ相場になっても、そう慌てない。 もちろん、われわれの投資勘定も下げの影響は食らう。
ただ、そもそもバブル買いされてきた投資勘定とは違う。 売りがそれほど出てこないから、下げも知れている。
また、われわれの投資勘定そのものがバブル買いとは無縁だったから、大慌てで売り逃げに走る必要もない。
それどころか、ある程度下がるや、逆に買い仕込みのチャンス到来となる。
バブル相場が吹っ飛んだ売り一色の地獄で、おもむろに買いを入れ出す。 まさに、長期投資家の真骨頂である。
暴落相場の安いところを、選り取り見取りの買いを入れる。 それが、本格派の投資というものである。