昔から、日本株市場では「2日新甫の月は荒れるぞ」と言われてきた。
2日新甫とは、その月の相場が2日からはじまることをいう。 今月が、まさにそうだ。
これまでで最も劇的だったのは、1992年の4月2日だ。 日本のバブル崩壊で、本格的な株価暴落の端緒となった。
もともと、90年の年初からのバブル崩壊で、株価全般は大きく下がってはいた。
株価下落傾向に、ダメを押したのが、92年4月2日の日経新聞の報道だった。
その朝の新聞トップで、大手生保が持ち合い株を売却する方針と報じられた。
その報道で、日本株市場では朝から売りが殺到して、株価は急落の途に就いた。
その年の8月までには、高値から60%強の暴落を記録するほどまで大きく売り込まれた。
さて、今月も2日新甫だが、どんな展開となっていくのだろうか?
ゴールデンウイークの合い間ということもあって、マーケット参加者も少なく小幅安で始まった。
とはいえ、株価全般の波乱を予測する材料は目白押しとなっている。
ロシア軍のウクライナ侵攻、エネルギーや資源・食料をはじめとしたインフレ高進、歯止めが利かなくなった円安、等々。
連休中にも、米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されて、2度目の利上げが決定されるという。
利上げの幅は、当初0.5%が予測されていたが、ここへきて0.75%の線も出てきている。
それもあってか、週末のNY市場は急落している。 さあ、今日のNY市場はどうなるか?
もっとも、相場の予測をしたくて書いているのではない。 ここからが、今日の本旨。
ずっと以前から書いてきた金融緩和バブルの崩壊が、いよいよ近いなと思う。
たまたま、それを2日新甫と掛け合わせてみただけのこと。
バブル崩壊は相場予測といった類の話ではなく、必然ともいえるものだ。
インフレや金利上昇が着実に迫ってきているのだ。 その先では、ここまでのカネ余りバブルが崩れない理由はない。
その崩れが、いつ始まるかだけのこと。 われわれ長期投資家は、バブル崩壊がいつ始まっても慌てない。
ただ、世の中全般は大騒ぎとなるのだろう。 大混乱の渦中から、新しい芽つまり健全な経済の姿が見えてくるはず。