インフレ、金利、ウクライナ情勢、etc 、株価だけは敏感に反応しては、懸命に持ちこたえている。
懸命に持ちこたえている? そう、グラッと来かかっては、こんな悪材料は一時的とみなした買いが集まってくるのだ。
一方、債券市場はまったくの鈍感さ。 ほんのちょっと債券利回りが上がりかかったぐらいの反応しかしていない。
それどころか、昨日のNY市場で株価が大きく下がったが、リスク回避ということで米国債が買われるという有様。
ずっと主張してきている、金融緩和バブル崩壊だが、債券市場が大崩れに入ってこそ本格化する。
ということは、まだまだ金融緩和バブルは続くのか? バブル崩壊など想定できない状態なのか?
いや、投資家はもちろん市場関係者もみな、すごい気迷いの中にある。 そういったところなんだろう。
なにしろ、物価上昇も一時的とみなせば、インフレ警戒感もやわらぐ。 つまり、金利上昇もそれほど気にしなくて済む。
株価全般も、ここでの下げは格好のスピード調整となる。 しっかり値固めした後、さらなる上昇相場に向かう。
そういった考えは、当然のことながら出てこよう。 なにせ、ものすごいカネ余りが続いているのだから。
実際、まだまだいけるの象徴が、債券市場である。 株式市場は揺れているのに、債券価格はビクともしていない。
まあ、こんな具合で一時的と状況判断するのが、投資家や市場関係者にとっては一番だし、納得もいく。
ところが、インフレといっても消費者物価の上昇だけではない。 コストプッシュ型のインフレも迫っているのだ。
サプライチエーンの分断はコロナ禍だけではなく、コロナ前からの自国中心主義の台頭や地政学的リスクも絡んでくる。
また、脱炭素で化石エネルギーへの投資が急減したところでの、エネルギー価格の上昇は決して一過性ではない。
世界がAI化やデジタル社会を標榜している横で、低所得化を余儀なくされている人たちからの賃上げ要求も、コストプッシュにつながってくる。
案外と根の深いインフレの台頭なのだ。 各国も景気動向を勘案しながら、利上げで対応するほかはない。
利上げが重なっている間に、信用力の低い債券発行者のどこかで債務不履行(デフォルト)が発生しよう。
それが債券市場の急落の引き金となって、金融緩和バブルの崩壊の号砲が鳴るといった図式となるのだろう。
ともあれ、ここでの気迷いが続けば続くほど、バブル買いの熱気は冷えていく。
それでもって、バブル崩壊という展開も大いにある。