ウクライナ問題、長引くよ

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ウクライナ国境に集結しているロシア軍が、ここからどう動くのかに世界の耳目は集まっている。

NATOはじめ米国は非常に厳しい態度で、ロシアのプーチン大統領に戦争回避を迫っている。

これは、2014年にロシアが当時ウクライナ領であったクリミア半島を強引に併合したのを止められなかった反省もある。

またもや、ずるずるとプーチン大統領の思うがままにさせてしまうわけにはいかない。

それが、西側の論理である。 そのため、戦争を回避をしつつ外交的な勝利を得なければというところだろう。

一方、ウクライナ国内の東部地域に住むロシア系住民は、クリミア半島のようにロシア編入を望んでいると言われている。

また、時期的にも大地が凍っている間は、ロシア軍の戦車も縦横に暴れられる。

ところが、3月に入って大地がぬかるんでくると、戦車や陸上部隊の機動力は、一気に落ちる。

そのあたりの戦術面の問題も、これから表面化してこよう。 さてさて、これからどうなっていくのだろう?

ともあれ、こういった民族問題が絡んだ国境紛争は、なかなか落としどころが見つからない。

それどころか、どう解決していくかを世界各地で民族問題を抱えているところの関係者は、じっと見つめている。

状況次第では、あちこちで俺たちもといった動きが高まってきてもおかしくない。

一例を挙げると、強権的な政治にどんどん傾斜していっているトルコのエルドアン大統領だ。

国民からの支持が急速に落ちていっている。 そんなところへ、昔から問題となっているクルド人の民族独立運動が高まってくると、厄介なことになる。

もうひとつ厄介なのは、オバマ大統領以降、世界の警察官の役割を降りてしまった米国は、その存在感がずいぶんと薄まってきている。

これまで圧倒的だった軍事力に対しても、米国を甘くみる向きが増えていってもおかしくない。

それがもとになって、世界各地で民族問題やらが噴き出てくる可能性は、案外と高まっていくこともあり得る。

そういった地政学的なリスクは、国際政治に重くのしかかってくるだけではない。

前から書いている、コストプッシュ・インフレにつながっていくことも、念頭に入れておこう。