いい感じで、米国を中心に株式市場はバブル崩壊への道を進んでいる。
とはいえ、まだ本格的なバブル崩壊には至っていない。 それどころか、徴候すら出ていない。
これだけ株価が急速に下げても、バブル崩壊の徴候ではないというのか?
そう、債券市場がビクともしていないではないか。 その点が気に食わない。
笑ってしまうのは、株価が大きく下げているからと、リスク回避で米国債を買う動きが出ていることだ。
世界の投資家の間では、まだ債券バブルどころの話ではないという認識なんだろう。
ということは、株式バブルは崩壊に入ったかもしれないが、金融緩和バブルそのものは安泰なのか?
世界は、そんな程度のバブル認識なんだろうか? 株価は上がりすぎたから、下がってもいいぐらいの認識なのか?
そうは、とうてい思えない。 もうそう遠くない先で、債券市場も崩れだすだろう。
断言してもいい。 債券市場も崩れだせば、いよいよ本格的な金融緩和バブルの崩壊だ。
で、債券市場の崩れとは? 世界あちこちで高まっているインフレ懸念が、金利上昇を誘引する。
すでに、米FRBのパウエル議長が3月中にも利上げに踏み切ると表明している。
インフレの度合いがきつくなればなるほど、利上げのピッチも早まり、その幅も大きくなる。
それは、間違いなく債券市場を揺るがす。 米FRBの利上げ開始が、その引き金となろう。
金利水準が上がってくれば、いま保有している超のつく低利回り債券の魅力は、たちまち下がる。
そこで低利回り債は売って、より利回りの高いものに乗り換えようとする動きが、もう自動的に高まる。
この、より高い利回りの債券に乗り換えようとする動きが出てくるや、債券市場は崩れ出す。
債券投資は利回り計算で行われるから、金利上昇には敏感に反応する。
その動きが、いまだまったく出ていない。 ということは、世界の債券市場は嵐の前の静けさにあるといっていい。
債券を保有している投資家は、売るなら早い方がいいと思うよ。 いまなら売れるし、バブル崩壊から逃れられる。
われわれ本格派の長期投資家は、こんな超低金利で債券など買えるかよといって、遠く離れていた。
したがって、債券バブルの崩壊には高みの見物となる。 40年ぶりの、すさまじい債券地獄が間もなく始まるのだ。