NY市場も東京株式市場も、いい感じで戻してきている。 先週までの大幅下げに対する反発高だ。
この戻り反発は、格好の売り場を提供してもらっていると考えよう。
売り場? そう、金融緩和バブルが弾けるのは、もう時間の問題である。
その前に、一部の株式を残して、ほとんどの投資商品や金融商品は、きれいさっぱり売っておきたい。
崩れがはじまったら、これまで買って買いまくってきた人たちが総売りに転じる。
株式や債券はじめ、あらゆる金融商品はおそろしく巨額な投資残高となっている。
それらが、一斉に売り逃げに走るのだ。 とんでもない規模の売りが殺到して、あっという間に値を消していく。
どの投資家も売るに売れない投資ポジションを抱えて、暴落相場を呆然と見守るしかないくなる。
投資損失や評価損がみるみる膨れ上がっていくが、売り逃げ一色のマーケットでは、なんの手も打てない。
だから、バブルがまだ本格的な崩れに入っていない、いまのうちに売っておこうといっているわけだ。
で、売らなくてもよいものは? 生活者にとって大事な、なくなっては困る企業群の株式だ。
ビジネスそのものは、どちらかというと地味だが、日々の生活消費に支えられて、安定度の高い事業展開をしている。
まさに、われわれ本格派の長期投資家がポートフォリオ組み入れしている企業群だ。
そういった企業群の株式ならば、バブルが崩れて株価は大きく下がっても、安心して持っていられる。
なにしろ、相場が大暴落しようと不況となろうと、人々の生活はなくならないし、それを支える企業活動も休むことなく続く。
だから、たまたま株価が大きく下がっただけと、バブル崩壊に大慌てとなるころなく、のんびり構えていられる。
本業がしっかりしているから、暴落が一段落すれば株価もそのうち戻るだろうと、落ち着いていればいい。
実は、しばらくすると、そういった企業群の株価はV字型の急回復に入っていく。
もともと、それほどバブル買いされてきたわけではないので、出てくる売りも大した量ではない。
それで、そういった企業群の株価はどんな暴落相場時でも早い段階で下げ止まる。
それをみて、マネーが集中するのだ。 それが、V字型の株価急上昇につながっていくことになる。
どういうことか? バブル崩壊で、あれほどカネ余りを謳歌していたマネーの大半は吹っ飛んでしまう。
しかし、マネーの一部はしぶとく生き残っている。 まだ生きているマネーは、次の儲け先を見つけようと虎視眈々としている。
ほとんどの株式や金融商品は、まだ潜在的な売りものを大量に抱えている。
ところが、一部の株価は売りが終わり、いつでも上昇に向かえるとばかり、ピクピクしているではないか。
それ行けっと、マネーが集中しだす。 それが、一部の株価のV字型の急上昇である。
われわれ本格派の長期投資家が早い段階からバブルとは一線を画してきたのは、まさにこのV字型の株価急上昇を狙ってもの。
バブルが終わったからといって、世の終わりではない。 早くも、次の上昇相場がはじまるのだ。
それを狙うのが、本当の投資というものである。