世界を襲っている、コロナ禍は結構しぶとくて、なかなか終息してくれない。
それどころか、オミクロン株とか次から次へと新手を繰り出してきては、世界を恐怖に陥れている。
ふと考える。 これが昔だったら、どんな展開になっていただろうかと。
医療も発展していなかった昔であれば、ペストやコレラ同様にひたすらコロナに罹患しないよう、ただ祈るだけだった。
それは同時に、表現は悪いが、殖え過ぎた個体の淘汰を促す自然界の作用でもあった。
自然界では、どの個体もある程度を超えて殖え過ぎると、自己淘汰なのか他の理由かは別として、個数の整理が始まる。
人間界だけは例外的に、様々な工夫や科学の発展、そしてイノベーションでもって、人工涵養力を高めてきた。
それでも、中世の黒死病(ペスト)のように、急激な都市化による衛生状態の悪化もあって、1億人ともいわれる人々が亡くなった。
さて、今般のコロナ禍だがワクチン接種でもって免疫力を高め、罹患を抑える努力が重ねられている。
また、手の消毒などを、これでもかこれでもかと推奨されている。
よくいわれるように、人間は他の生きもの同様に、無数の細菌と共生している。
共生どころか、多くの細菌によって守られているといった、自然界の妙を享受しているわけだ。
それが、消毒を徹底するということは、コロナ感染防止には役立っても、有用な細菌まで死滅させてしまうことにもなりかねない。
自然のバリア(防御壁)を取っ払ってしまうということは、コロナ禍が収まったら別の感染を恐れることになるかもしれない。
病院での耐性菌に見られるように、医療すなわち科学と自然界とのいたちごっこが延々と繰り返されるわけだ。
そんな中で、これまたきわめて不遜な考え方ではあるが、ブラジルやインドといった人口大国がコロナ禍をどう切り抜けるか、興味津々である。
人口も多く、ワクチンの接種がなかなか追いつかない状況にある両国で、コロナ感染がどのように終息していくのだろう。
どこかで、ペストやスペイン風邪のように自然と収束に向かうのか、あるいはコレラのように衛生でもって封じ込められるか。
まあ、なにはともあれ、コロナに感染しないよう体内の免疫力を高めておこう。